変わりたいのに、なぜ変われないのか‥
「分かっているのに、できない」には理由があります。
……………

生きづらさには、理由があります
「アダルトチルドレン」と「考え方のクセ」から心を理解する
……………
「気にしすぎないようにしよう」「もっと自分を大切にしよう」「人の顔色を見るのをやめよう」「嫌なことは、嫌と言えるようになろう」‥‥ 頭では、分かっている。
本を読んだり、心理学書を学んだりして、自分の考え方のクセにも気づいている。
それでも、同じことで傷つく。同じことで不安になる。同じように我慢する。そして、また自分を責める。
「分かっているのに、どうして変われないんだろう」ここで苦しんでいる方は、少なくありません。でも、私はここが重要だと考えています。
考え方だけを変えようとしても、変わることが難しい場合があります。
なぜなら、その考え方には、それが身についた理由があるからです。
人の顔色を読むようになったことにも。
嫌われることが怖くなったことにも。
自分より相手を優先するようになったことにも。
「ちゃんとしなければ」と自分を追い込むようになったことにも。
それぞれ、そうならざるを得なかった背景があるのです。
だから私は、「その考え方をどう変えるか」だけに目を向けることはありません。
その前に、「なぜ、私はそう考えるようになったのか」を見ていきます。
ここに、愛媛心理相談室が、①アダルトチルドレン(過去の体験・心の傷つき)と②考え方のクセ(現在の受け止め方・考え方)の両方を大切にしている理由があります。
心の傷つきは、考え方のクセとして残ることがあります
……………
子どもは、自分が育つ環境を選ぶことができません。その中で傷つかないように、嫌われないように、何とか安心して生きていくために、自分なりの方法を身につけていくのです。
それが、大人になった今も続いていることがあるのです。
怒られることが怖かった‥
□ 子どもの頃
親の機嫌を見ながら過ごしていた。
↓
□ 身についた考え方
「怒らせてはいけない」「親の機嫌が悪いのは、私のせいかもしれない」
↓
□ 大人になった今
相手の表情や声が少し変わっただけで不安になる。必要以上に謝ってしまう。言いたいことが言えない。
「いい子」でいなければならなかった‥
□ 子どもの頃
・親を困らせないようにしていた。
・怒られないように、親の言うことを聞いていた。
・本当は嫌でも、我慢することが多かった。
・褒めてもらいたくて、一生懸命頑張っていた。
↓
□ 身についた考え方
・ちゃんとしていなければ。
・期待に応えなければ。
・迷惑をかけてはいけない。
↓
□ 大人になった今
・失敗を必要以上に恐れる。
・頼まれると断れない。
・頑張っても「まだ足りない」と自分を責める。
気持ちを受け止めてもらえなかった‥
□ 子どもの頃
・悲しい、怖い、嫌だと言っても、分かってもらえなかった。
↓
□ 身についた考え方
・私の気持ちは大切ではない。
・我慢した方がいい。
↓
□ 大人になった今
・自分が何を感じているのか分からない。
・嫌なことがあっても我慢する。
・いつも自分より相手を優先する。
だから、「考え方を変えればいい」だけでは終われないのです
「人の顔色を気にしないようにしましょう」「もっと自分を大切にしましょう」「嫌なことは断りましょう」それができれば、本人も苦労していません。
長い時間をかけて身につけた考え方には、その人なりの理由があるのです。
私は、その理由を置き去りにしたまま、考え方だけを変えようとはしません。

では、どうすれば変わっていけるのか
……………
「原因が分かれば、変われますか?」そう聞かれることがよくあります。
過去を振り返り、「だから私は、人の顔色を見るようになったんだ」と分かっただけでは、長年続いてきた反応がすぐになくなるわけではありません。
大切なのは、分かったあと、どうしていくかですすよね。
① まず、「自分に何が起きているのか」に気づくことです
たとえば、誰かの返事がいつもより冷たかった。すぐに、「怒っている」「嫌われた」「私が何かした」と考えてしまう。
ここで最初にするのは、無理に前向きに考えることではありません。
「私は今、嫌われたと思って不安になっている」と、自分の中で起きていることに気づくことです。
② 「事実」と「自分の考え」を分ける
相手の返事が短かった。これは事実です。「私を嫌っている」これは、まだ事実とは限りません。
この2つを分けられるようになると、考え方のクセに巻き込まれにくくなっていきます。
③ 「なぜ、私はこう反応するのか」を理解する
ここで初めて、過去の体験にも目を向けてください。
「人の機嫌をいつも気にしていた」「失敗すると強く責められた」「自分の気持ちより、周りを優先してきた」
今の反応と過去の経験がつながると、「私はダメだからこうなる」ではなく、「こう反応するようになった理由があった」と解釈を変えながら、自分を理解できるようになっていくのです。
④ 今の自分に合った、新しい行動を試していく
「気づく」
↓
「分ける」
↓
「理解する」
↓
「やってみる」
考え方のクセだけを見るのでもなく、過去の心の傷つきだけを見るのでもありません。
今起きていることに気づき、事実と考えを分け、その考え方が生まれた背景を理解し、今の自分に合った新しい関わり方を試していく。この流れを大切にしています。
過去を変えることはできません。でも、過去から身につけた生き方は、これから変えていくことができます。
あなたにも、こんなことはありませんか?
……………
次のチェックリストの項目を、考えすぎずに読んでみてください。
① 人の機嫌が悪いと、まず「私のせい?」と思う
② 嫌われることが怖くて、本音を言えない
③ 頼まれると、嫌でも断れない
④ 少し失敗しただけで、「やっぱり私はダメだ」と思う
⑤ 相手から返事がないと、「嫌われた」「怒っている」と考えてしまう
⑥ 人には優しくできるのに、自分にはとても厳しい
⑦ 「ちゃんとしなければ」「もっと頑張らなければ」がいつも頭にある
⑧ 我慢していることに、自分でも気づかないことがある
⑨ 自分が本当はどうしたいのか、分からなくなる
⑩ 頭では分かっているのに、同じ人間関係や同じ悩みを繰り返している。
いくつ当てはまりましたか?
大切なのは、数ではありません。もし読んでいて、「これ、いつもの私だ」と思った項目があったなら、そこに目を向けてみる価値があります。
「性格だから」「気にしすぎる自分が悪い」「もっと強くならなければ」それだけで終わらせないでください。
その反応や考え方には、そうなるまでの背景があるかもしれません。
変える前に、まず「なぜ?」を知ることです
・なぜ私は、人の顔色をこんなに気にするのか。
・なぜ断ることが怖いのか。
・なぜ失敗すると、ここまで自分を責めるのか。
・なぜ分かっているのに、同じことを繰り返してしまうのか。
その「なぜ?」を見つけることが、変わっていくための出発点です。
※このチェックは、アダルトチルドレンや精神疾患などを診断するものではありません。自分の感じ方や考え方を振り返るためのものです。
愛媛心理相談室が大切にしていること
……………
ここまで読んで、「だから私は、分かっていても変われなかったのかもしれない」と思われた方もいるかもしれません。
人の顔色を気にする。嫌われることを怖がる。自分を責める。我慢する。何でもきちんとしようとする。
それらを、ただ「直さなければならない悪いクセ」とは考えません。その人がこれまで生きてくる中で、身につける必要があったものかもしれないからです。
だから、2つを切り離しません
愛媛心理相談室では、
①アダルトチルドレン― なぜ、その生き方を身につけたのか。
②考え方のクセ― それが今、どのような考え方や行動として続いているのか。
この2つを切り離さずに見ていきます。
過去ばかりを振り返るのでもありません。今の考え方だけを直そうとするのでもありません。
過去を理解し、今に気づき、これからを変えていく。そのためのカウンセリングを大切にしています。
「私はこういう性格だから‥」で終わらせない
長い間、「私は気にしすぎる性格だから」「私は人付き合いが苦手だから」「私は自信がない人間だから」と思ってきたことにも、理由が見つかることがあります。
理由が分かると、「私はダメなんだ」から、「私は、こうやって自分を守ってきたんだ」へ、自分を見る目が変わってきます。
そして、そこから初めて、「では、これからの私は、どうしたいのか」を考えることができます。
変わるとは、別の自分になることではありません
無理に前向きな人になることでも、過去を忘れることでも、何も気にしない人になることでもありません。
これまで自分を守るために必要だったものを理解し、「もう、今の私には必要ないかもしれない」と気づいたものを、少しずつ手放していく。
そして、自分で考え、自分で選べることを少しずつ増やしていく。私たちは、それも「変わる」ということだと考えています。
変わりたいのに、変われなかったあなたへ
変われなかったことだけを見て、自分を責め続けなくていいのです。
まず知ってほしいのは、「なぜ、私はこうなったのか」そして、その次に考えてほしいのは、「これから、私はどう生きたいのか」です。
愛媛心理相談室では、アダルトチルドレンと「考え方のクセ」この2つの視点から、今まで繰り返してきた生きづらさを一緒に整理し、これからの生き方を考えていきます。