離婚の危機‥
愛媛心理相談室では、離婚に悩む方へのカウンセリングを行っています。
日本では毎年20万件以上の離婚が発生しており、近年は、結婚して20年以上経ってから離婚する「熟年離婚」の増加も話題になりました。
一度は共に生きていこうと結婚したカップルが、様々な事情があるとはいえ、離婚を決断するのは、簡単なことではありません。 離婚を考える理由として、子育ての仕方や、お金の使い方、性関係、生活スタイルなどにおいて価値観が合わない、暴力やアルコール、ギャンブル、不倫などの問題で振り回されてきたなどのことがあるでしょう。
家事や育児などの大変さが理解されず協力関係がうまく築くことができない、相手の親や親戚との関係で味方になってもらえないという悩みは、カウンセリングでよく聞くことです。 離婚には、浮気(不倫)やDV、モラハラ(モラルハラスメント)のようなあからさまな理由があるものも多いですが、離婚の原因で最もよく見られるのは「性格の不一致」です。
離婚を考えるときには、結婚生活に心理的な負担や悩みを抱えていることがほとんどです。子どもが自立するまではと長い間離婚できないストレスを我慢してきた人もいるでしょう。とはいえ、離婚さえすれば必ずしもすべてが上手くいくというわけではなく、離婚はお金や子どもの問題など多くのしがらみを解決し、決断や説得に気力が要る場合がほとんどです。
また、自分は離婚したくないけれど相手から離婚を求められたという場合には、落ち込みと焦り、急激な環境の変化から抑うつ状態に陥りやすくなります。
様々な事情で、悩んだり、落ち込んだり、喧嘩が絶えなくなったりして、それでも我慢して結婚生活を続けるのか、離婚して別々の道を歩み出す方がいいのか、複雑に気持ちが入り混じり、決断がつかないまま月日が過ぎていくこともあります。 相手から切り出されたのであれば、納得のいかないまま離婚を選択せざる得なくなるということもあるでしょう。
子どもがいる場合、せめて小学校に入学するまでは、大学を卒業するまでは、結婚するまではと、夫婦関係が冷え切っていても、家族としての形を維持したいと離婚をせずに「仮面夫婦」を続ける人たちもいます。 繰返し暴力を振るわれたり、屈辱的な言葉を投げられたりして、話し合っても全く改善がなされず、離婚したいと思いながらも、離婚後の生活への不安のために、思いとどまっていることもあります。
多くの親は、離婚が子どもに与える影響を心配します。確かに、親の離婚によって、子どもは大きな影響を受けます。しかし、親が争いの絶えない生活を続けていたり、不幸な結婚生活を我慢し続けていたりすることの方が、子どもに悪影響を及ぼしてしまっていることも少なくありません。
離婚後、親が、以前より生き生きと人生を充実させ、明るい生活を送り、安定した家庭を持つことで、子どもに良い影響を及ぼすこともできます。子どものためにも、離婚という選択をした方が良いこともしばしばあります。
意に反して離婚を求められた側で、結婚を継続するために、どんなに努力をしても相手の決意が固く、渋々離婚を承諾した場合には、離婚後に抑うつ的になったり、眠れなかったり、食欲がなくなったり、イライラとして怒りっぽくなったりすることもあります。離婚したことは間違いだったのではないかと、そのことを受け入れられずに、ふさぎこんでしまうこともあるでしょう。
離婚を迷い決断ができないときや、離婚後に不安や悲しみに圧倒されて気分が晴れないときには、自分だけで抱え込まずに、身近な信頼できる人に相談してみましょう。
離婚のプロセスの大変さや新しい生活のことで、子どものことに手が回らないこともよくあります。子どもの様子が気になったり、離婚に関していつどのように子どもに言葉をかけたり、説明すればいいのか難しいと感じることがあるでしょう。離婚のプロセスが落ち着いたころ、子どもに症状や問題行動が現れることもあります。
愛媛心理相談室のカウンセリングでは、離婚をしたほうがいいかどうか迷っている方や、離婚のプロセスの中を懸命に歩んでいる方、離婚をしたものの、心の整理がつかず、うまく乗り越えることができないと感じている方が、より自分らしく生きていけるよう、新しい一歩を踏み出すお手伝いをします。