自己肯定感を高めたい‥

自分自身を認め、何事もポジティブに捉えることができる人のことを「自己肯定感が高い」と表現します。よく似た言葉に、「自己効力感」があり、自分の行う仕事や行動がうまくいくと思える人のことを「自己効力感が高い」といいます。

例えば大事な仕事を任されたときに、"自分には能力があるから成功するだろう"と思える人は、自己肯定感も自己効力感も高い人です。このように自己肯定感も自己効力感も高い人は目標を達成する確率が高くなります。

ただし、自己効力感が高くても自己肯定感が低いと、"自分には能力がないのになぜか成功する"と思うため、上手くいかなかったときに精神的に落ち込んでしまい、気持ちの浮き沈みが激しくなります。

また、単に自己肯定感が低いと、他人からの評価ばかり気にして疲れたり、自分が他人に比べて劣っているところばかり思い詰めたりと、生きづらさを抱えやすくなります。

〇 実現したいことがあるが、自己肯定感が低いためにチャレンジできない

〇 自己肯定感を高めて、自己否定をしてしまう性格を改善したい

このようなことでお悩みではないでしょうか。

自己肯定感を高めると、仮に誰からも認められないとしても、無条件で自分自身の能力を認めてあげることができます。失敗しても打たれ強くなるため、新しいチャレンジに取り組みやすくなります。

行動や仕事の成否にとらわれず、自己肯定感を高めるために、愛媛心理相談室の自己肯定感アップ講座を受講してみてください。

自己肯定感とは‥

自己肯定感とは、自分の存在を認め、自分は自分のままでいいと思える心の状態のことを言います。 自己肯定感は、自分を尊び他人からの干渉をうけないで自分に自信を持つことを意味する自尊心などともほぼ同じ意味です。

自己肯定感が高ければ、精神的に安定していて、人からの評価を必要以上に気にしたり、誰かと比べたりすることにとらわれません。ちょっと難しそうなことでも失敗を恐がらずにチャレンジできることが増えて、自分の可能性をさらに広げていくのです。

人はさまざまなリスクから自分の身を守るために、常にネガティブな考えで予測を行ってしまう生き物です。ネガティブな考え自体を悪いものと捉えがちですが、日常のリスクを避け生活する上で大切な思考とも言えます。

ただ、ネガティブな考えが出たときに、自己肯定感を持ってその思考を捉えるとができるかどうかがキーポイントです。特に、自己肯定感は、過去の失敗やトラウマ体験があると低くなりやすい傾向にあります。

また、自己肯定感が高いとどんな時も幸せを感じやすいと言われるように、自己肯定感は人生に大きな影響を与えるもの。見えないものではありますが大切にしたいですね。  

子ども時代に育みたい「自己肯定感」‥

近頃よく「子どもの自己肯定感」という言葉。「自己肯定感が高い子は成績がよい」や「自己肯定感を高めるためのほめ方とは?」などと言われています。

自己肯定感が高いと、自分自身はもちろん、周りの人やものごとも大切に思え、肯定的に考えられるようになるとされているので、ぜひ子ども時代に育んでおきたいですよね。
そのために、日頃、親はどんなことを心がけるといいのでしょうか。親が意識しておきたいポイントをご紹介します。 

幼児期は将来の性格の基礎となる部分がつくられる大切な時期です。だからこそ、将来にわたって関係する自己肯定感は、子ども時代に育みたいものです。

自己肯定感を高めるためには、「自分は自分のままでいい」と思えることが大事なのですが、子どもの場合はそのように感じる機会が大人よりも少ないので、自ら自己肯定感を育むことができないのです。

だから、親をはじめとする周りの大人の態度や言葉がけが大事なのです。子どもの気持ち、考えを認めてあげることを繰り返してあげてください。そうすると次第に「自分は愛されている」と実感し、自己肯定感が高まっていきます。

また、幼児期は競争や比較の機会が少ないため、子どもの自己肯定感を高める絶好のタイミングだと言えます。日常的に子どもと楽しい時間を過ごしながら、子どもそのものを認める言葉をかけてください。

 

自己肯定感が高い子に育てるために親がしたいこと‥

自己肯定感の高い子は最初から自己肯定感が高いわけではありません。親や周りの大人との関わり方によって高くなることも低くなることもあります。長い目でとらえ、日常的に子どもと向き合い、見守り、子どもそのものを認める姿勢を心がけると良いでしょう。



① 話を聞く雰囲気を作る‥

話を聞く際は発言している子どもの言うことを最後までしっかり耳を傾けてあげてください。人の話を聞く時の正しい態度は、「自分が話す時もちゃんと聞いてもらえる」という感覚を子どもに与えることになります。


② 否定しない、決めつけない‥

子どもがどんなことを言っても、否定や決めつけをしないようにしてください。子どもの言葉は良い悪いと評価するのではなく、しっかりと受け入れてあげてください。

すぐに「そんなことはないでしょう!」と返されたり、「こっちの方がいいに決まってるよ!」と押し付けられたりすると、子どもは自分の意見や感情を聞いてもらえないのだと思うようになり、徐々に自分を表現できなくなります。


③ 無理強いをしない‥

たとえば、「名前を呼ばれたら大きな声で返事をしよう」と約束をしていても、気分が乗らない日もあります。気持ちを言葉で上手に表現できないのに、無理強いすると自己肯定感を傷つけることになります。

「今日は手をあげるだけにしようか」などと提案すると、「気持ちを受け入れてくれた」=「ありのままの自分を認めてくれた」と子どもは感じます。


④ 子どもが考える時間を作る‥

子どもは持てる知識や経験を使って考えた上で、行動したり、話をしたりします。何かを始める時や、こちらが質問を投げかけた時は子どもが考える時間を設けてください。

先回りをして準備し、決められた答えに導かないように気をつけるべきです。そうしないと子どもの考える力を摘み取ってしまうことになりかねません。 


自己肯定感は生きる上での土台‥

自己肯定感は、生きる上で大切な要素の一つといえます。自己肯定感が高い人は、人と比べた自分ではなく、自分そのものを大切に思えるので、どんな時も物事を肯定的にとらえられるようになります。

性格を形作る時期ともいえる幼少期は、自己肯定感を育む大切な期間です。難しく考えずに親は、子どもの個性や成長を見ながら、子ども自身を認めることを心がけましょう。子どもが「自分は認められている」と感じたら、自己肯定感が育っていきます。

また、客観的に子どもの個性や成長を上手に見つけてくれる幼児教室などの習い事に通うのもおすすめです。子育てのヒントが見つかる場合もあります。家族以外の大人に認められることや小さな成功体験を積むことも、子どもの自己肯定感を高めます。 

自己肯定感が低い・高いことの具体例‥

具体的に自己肯定感が低い・高い場合の具体例を見てみましょう。

【起こった事象】

上司から頼まれていた資料作成をするのを忘れてしまい、同僚に一緒に残業してもらい何とか期限までに提出した。上司からは「次からは気をつけるように」と注意を促されたのみで、怒られることはなかった。



① 自己肯定感が低い具体例‥

資料作りを忘れてしまった自分を許すことができず、同僚に迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思っている。

「自分はできない人間だ」という風に、上司からも同僚からも見なされているだろうなという思いが頭をめぐります。

今後上司は信頼して仕事を任せてくれないだろうし、評価にも影響するだろうと考えています。思い返せば、自分は昔から重要なことに限って忘れたりするダメな人間だと落ち込むようになります。


② 自己肯定感が高い具体例‥

忘れてしまったのはメモを取っていなかったからだと反省し、今後は仕事用のスケジュールにTo Doリストを加え対応しようと考えます。

間に合ったのは同僚のおかげで、お礼の品と共に感謝の気持ちを伝えることにしようと思います。今回の件は、周りに迷惑をかけてしまったけど、よりよい仕事の方法を実践するためのよい学びになったなとポジティブな感情が出てくるようになります。


自己肯定感が高い人の特徴‥

〇 いつも肯定的な態度でいれる
〇 ネガティブなことでも、良い面を探して見ることができる
〇 常に周りに感謝している
〇 考えるが深く悩んだりしない
〇 自分の性格を否定しない

自己肯定感の高い人は、自分への肯定感が多幸感につながり周りへの感謝の気持ちにあふれています。ネガティブなことがあってもよい面を見るという特徴があります。

自分を認めているため、同じ存在である他人のことも認めることができ、肯定的な態度をとることが多いのも特徴です。

よくない事が起こっても自分の性格を否定するのではなく、その方法が間違っていたとして、方法を変えることを考えることができます。物事について悩むのではなく、考えるというスタンスでいれるでしょう。


自己肯定感が高いことによるメリット‥

それでは、自己肯定感が高い場合には、どのようなメリットがあるのでしょうか。


① 逆境に強くなる‥

自己肯定感が高いと、何かうまくいかないことがあったとしても、冷静に方法を考え対応していくので、逆境に強いというメリットがあります。仕事上では逆境に陥ることは多いので、戦力になる能力といえるでしょう。


② 他人のせいにしなくなる‥

自己肯定感が高まることで、他人の目を気にして行動することがなくなり、自分で決めて行動するようになります。そのため、たとえ失敗したとしても他人のせいにすることがなくなるでしょう。


③ 悩む時間が少なくなる‥

自己肯定感を上げることで、何かに悩んで落ち込む時間が少なくなります。
ポジティブにどうやったらできるかということを考えることに時間を使うようになるでしょう。今までぐるぐると同じことを悩むことで浪費していた時間を、有効に活用することができます。


自己肯定感が低い人の特徴‥

ここで、自己肯定感が低い人の特徴を見てみましょう。

〇 自己嫌悪に陥りやすい・自己否定しやすい
〇 他人の目が気になる・過敏になる
〇 精神的に安定しない・感情がぶれる
〇 モティベーションが上がらない・意欲的に行動できない
〇 他人に対して批判的・評価的・攻撃的になる

自己肯定感の低い人は、自身の不安な感情に振り回されて、今日一日を意欲的に過ごすことができない特徴があります。

また、自分を認められていないのと同様に他人を認めることができず、自己防衛のために他人を批判したり攻撃したりする傾向があるでしょう。自信がないので、他人の目が気になり、結果精神的に不安定な人も多いです。

自己肯定感が低いことによる影響‥

自己肯定感が低いことによる、主な影響は次の通りです。 


① ネガティブな感情に振り回される‥

自己肯定感が低いと、他人の目が気になり常にネガティブな感情を気にしてしまいます。仕事で失敗した場合にも、解決案を考えるのではなく、感情に引きずられポジティブに業務にあたることが難しいでしょう。


② 人間関係が上手くいかない‥

自己肯定感が低い人は、自分と同様に他人に対しても厳しい目で見てしまったり、劣等感から攻撃的になってしまったりと人間関係が上手くいかないケースが多いです。職場での人間関係にも、影響が出る場合があります。


自己肯定感を高めて仕事・生活を充実させよう‥

自己肯定感とは、自分という安定した軸を持って、自分のやりたいことを実現していくために高めたい感情です。

自己肯定感を高めることで、私生活のみならず、仕事に対してもポジティブな効果が期待できるでしょう。中には、マインドフルネスを取り入れることで、自己肯定感を高める取り組みを行っている企業もあります。

社員が意欲的に働けるよう、会社で自己肯定感を高める取り組みの導入を検討するのもよいでしょう。

愛媛心理相談室では、現在「自己肯定感アップ講座」を開講しています。すでに8000人を超す皆様に受講いただいており、たくさんの喜びの声をいただいております。本年は10月より開講いたします。この機会に、ぜひ自己肯定感を上げ、幸福な人生を歩んでいただきたいと思っております。