自分に自信がない人‥
あなたは、自分のことが好きですか?自分自身のことが好きであれば、周りの目を気にしすぎて、生きづらさを感じることはあまりないはずです。
欠点のない人などいません。欠点もひっくるめて、そんな自分を大切な存在、価値ある存在だと思えることで、人にどのように評価されようと、どう言われようと、自分は自分、今の自分が好きと思えている気持ちが何よりも大切です。これは無条件で愛され、認められることで身についてゆくものです。
一方、自分自身が好きになれない場合は、どんなに環境や能力に恵まれていても満足が得られません。「人がどう思おうと、自分は自分だし、これでいい」という感じを持てないため、周りの目を気にして頑張ったしあげく、息切れしてしまいがちです。
自信がない人は、自分の気持ちよりも他者の気持ちを優先させてしまいます。嫌だと思っていることを断われずに引き受けることもあります。自分が引き受けてしまったものの、周囲から都合のいい人扱いをされている気がして、被害的な気持ちになる人もいます。
自分の気持ちをなかなか表現できないため、怒りや悲しみを溜めてモヤモヤしたあげく、最後は爆発するようなコミュニケーションをしてしまい、余計に自己嫌悪に陥る人も少なくありません。
自分自身が嫌で仕方がない。そして、その自分に似た我が子を見ると胸がざわつき、自分と同じ人生を送ったらどうしようと不安に駆られてしまう人もいます。自分と同じような思いをさせたくないと思ってしまうのですが、それが子育ての目標になってしまうと、子ども自身がどうしたいかという思いに耳を傾けてやることができなくなります。本当はそんなことをしたい訳ではないのに、「よかれと思って」こうあるべきという価値観を押しつけてしまうことがあるのです。
自信がない本当の理由‥
自信は「何かができた」という成功体験が積み重なることでつくられていきます。自信があるからこそ新しいことにも挑戦できて、そうすることで新たな成功体験が自信を強化していきます。
S・ロペス氏とC・スナイダー氏は書籍の中で、「自信がないことは<疑い>と同じである。自分の能力を疑ってしまうと行動を始める前に成功するための努力を思いっきりできなくなる」と言っています。
つまり、憧れる仕事に就きたいと思っても、自信がない人は「どうせ無理だろう」と自分を疑うことで応募すらしなくなってしまい、応募しなければ採用される可能性はゼロです。
もちろん自信がないからこそ行動するのが怖いし、「行動できるなら最初から自信ないことで悩まないよ」と思うでしょう。ここで大事なのは「行動しよう」ということではなく「自分を大切しよう!」ということです。
自分が劣っていると感じる劣等感から少し目を離して、自分を大切にする時間を持つことです。自信があってもなくても、うまくできてもできなくても自分を労ってあげる時間を持つことが、自信がない人が持っている秘めた力を発揮するのに役立つのです。
「自分に自信がない」と感じる原因‥
まずは、あなたがなぜ自分に自信がないと感じるのか、原因を確認していきましょう。考えられる原因は以下の6つです。
① 人格や行動を強く否定された
② 無条件の愛情を受けていない
③ 親が「毒親」に該当する
④ 失敗や挫折がトラウマになっている
⑤ 学校や即場でいじめを受けた
⑥ 不安と混同してしまっている
自信がない人の特徴‥
自分に自信がない人には、いくつかの特徴があります。ここで、私たちカウンセラーが見てきた、自信が持てない人のよく見られる特徴を9つご紹介します。
「失敗するかもしれない」とか、「他人の目が気になる」とか、「男性から嫌われるかもしれない」と不安を抱えている、自分に自信がない人っていますよね?
仕事も恋愛も人間関係も、自分に自信がない人は自信がある人に比べて、チャンスを逃したり、良い波に乗れなかったりすることが多い気がします。
① 傷つきやすい‥
自分に自信がない人は、ちょっとしたことで心にダメージを受けます。他の人にとっては何でもないことでも、「大失敗だ」と悲観的に捉えたり、ミスを指摘されただけで大きく落ち込んだりします。事実とは異なる思い込みで傷つくことも多く、周囲から疎まれることもあるでしょう。
② 声が小さい‥
自分に自信がない人は、自己主張が苦手です。自分の意見や考えに自信がないので、どうしてもぼそぼそと小さい声になってしまいます。
「否定されたらどうしよう」「話す内容に自信がない」「相手を不快にしたくない」」などのような心理が根底にあるので、堂々と話すことができません。
③ 自己主張が苦手‥
自分に自信がない人は、自己主張が苦手です。「自分の意見はおかしいのではないか?」「自分の意見で周囲は困るのではないか?」など、色々と考えてなかなか相手に思いを伝えられません。
会議や商談など重要な場面でも意見をうまく伝えられないため、上司から注意を受けたり評価されなくなってしまったりすることもあります。これにより、さらに自信を失いやすいのです。
④ 他人と比較する‥
自分に自信がない人は、他人と比較して、自分の粗探しをする癖がついています。自分の劣っている部分を見つけて、「やっぱり自分はダメだ」と劣等感を抱くのです。
粗探しを目的とした他人との比較を繰り返すことで、自分の人格そのものまでダメだと思い込んでしまいます。たとえ努力してステップアップしたとしても、さらに上位にいる人と比較してしまうので、自信を持つことができません。
⑤ 物事を決めるのに時間がかかる‥
自信がない人は、決断力が低く物事の判断に長い時間がかかるという特徴もあります。自分の意見に自信がないため、普段は他者の意見に合わせることが多いです。
そのため、いざ自分で決断する場面になると「本当にこれで良いのか?」「この選択で間違っていないのか?」という不安から判断が遅くなってしまいます。
⑥ 嫌なことを引きずる‥
仕事上でミスをして上司に怒られた、恋人と喧嘩別れしてしまったなど嫌なことを引きずってしまうのも自分に自信がない人に多い傾向です。
日々過ごしていれば、嫌なことや辛いことは必ず出てくるものです。悪い部分があったのであれば反省をし、次に同じことが起きないよう対策を考えて取り入れていけば良いのですが、その後も引きずってしまう傾向が自信のない人には多くみられます。
⑦ 行動力がない‥
自信がない人のなかには、行動力のない人も多いようです。これは、行動する気がないわけではなく、失敗を恐れていることが主な理由です。
失敗したくないために、不慣れなことやまだ体験したことのないことなど確実にできる保証がないものを避けてしまいます。
自分が確実にできることしかしないために、周囲には消極的で受け身な人に映りやすいです。そのため、どんなに真面目に取り組んでいたとしても低い評価を受けることが多く「自分はできない人間なのだ」という思い込みが強くなってしまいます。これにより、自信をもてなくなってしまうのです。
⑧ 自己否定をしてしまう‥
自己否定をしがちであることも、自信のない人に多い特徴のひとつです。失敗への恐怖心や嫌な思いをしたくない気持ち、自己主張が苦手などさまざまな事柄が絡み合って自己否定につながっています。
少し思い通りにいかないことがあったり、小さなミスをしたりしただけで「自分は何もできないダメな人間だ」と自分自身を否定してしまうため、自信がつきにくいのです。
⑨ ネガティブな発言が多い‥
「どうせ私なんて‥」「私には無理‥」などと、自己否定の言葉を簡単に発します。このネガティブ発言の根底には、次の3つの心理が隠されていると推察できます。
①「自分には無理」だと心から思っている、②「そんなことない」「大丈夫」と他人に言われたい、③成果が出なかった場合の予防線、です。
自信がない人は成功体験が少ないため、リスクばかり気にしがちです。リスクを意識すると、不安や心配が増すので、どうしても発言がネガティブになります。
自信のない人ほど「自信を失う」行動をとる‥
劣等感を持っている、イライラしている、情緒が不安定だ、こういう人はどういうわけか、さらに自信を失うような行動をとる習慣(クセ)が身に付いています。それは具体的には、他人に自分を印象づけようとする行動です。
他人に対して、自分を印象づけることで、いよいよ、自分を殺し、他人の期待に沿った生き方をはじめるのです。
他人に自分を印象づけようとして、自分の弱点を隠し、そして、不自然に陽気にふるまったり、派手に行動したり、お金のある人はお金をばらまいたり、自慢話をしたりします。
このような行動をすることによって、実はその人はどんどん自分に自信をなくすのです。そして、あるがままの自分に自信を失い、あるがままの自分で他人に対することができなくなり、そして気が弱くなるのです。
気が弱い人は、他人を傷つけまい傷つけまいと恐れます。他人に嫌われるのが怖いため、他人の感情を害するのを極度に恐れるようになるのです。
そして、自分の気持ちにしたがって行動するよりも、他人の気持ちにしたがって行動するようになります。常に自分のやったことに弁解が出てきます。弁解をしないでは何事もできないようになるのです。
自信を失った人は、本当は自信を回復するように行動しなければならなりません。しかし、自信を回復するどころか、さらに自信を失うような行動をどうしてもしてしまう。心に傷を持つ人は、さらに自分を傷つけるような行動をとってしまうのです。
安心感のない人は、さらに自分が安心感を失うような行動を選択してしまうのです。傷つきやすい人は、自分を傷つけるように行動してしまうのです。
隠している自分を共有してあげる‥
成功や挑戦は自信を育んでくれますが、必ずしも自信は自分ひとりの努力や力で獲得するものではありません。
自信がないと思っていることやその気持ちを誰かに話すことで、「自信がない」という自己イメージを変えることができるようになります。
臨床心理学者のシドニー・ジェラードは、自分の情報を相手に伝える自己開示が多いほど精神的な健康も高いと言っています。趣味や性格を誰かに聞いてもらうだけでも自己肯定感が増し、自分の状況や気持ちに共感してもらえると「認められた」感じがして自信につながるということです。
つまり、自己開示することで自信がない自分を隠すために割いていた内側に向けたエネルギーを外側に向けられ、誰かに共感してもらえることで自信がない自分を認められるようになるということです。
それに、評価されることが多い今の社会では、自信がないことを隠して悩んでいる人もたくさんいるはずです。自己開示することは自分を楽にするだけでなく、同じように苦しんでいる誰かを助けてあげられるかもしれません。
もちろん自分のことを伝えるのは怖いし勇気もいることだから、誰にでも伝えられるわけではないよね。「この人に、これくらいなら話せる」と思えるところから、少しずつ話していくのがポイントです。
「自信がない自分」を大切にする‥
頑張ること、成功すること、自分に自信を持つことはいつも比例するわけではないから、「自信がない自分が成功するためにはもっと頑張らなきゃ!」などと思わなくて大丈夫です。
自信がない今のままでも誰かの役に立っているし、自信がないからこそ多くの魅力と成長できる可能性だって潜んでいるわけです。まずは、自分を大事にしてあげる時間をつくることから始めてみてください。
愛媛心理相談室のカウンセリングでは、あなたの自信のなさがどこから来ているのかをカウンセラーが共に考え、自信を失わせることにつながった、受け止める必要のなかったメッセージや、持つ必要のなかった自責に気づき、手放していきます。
あなたがあなた自身を許し、欠点も含めて自分を受け入れ、「私が私であっていい」という感覚を得て、あなたらしく歩んでゆかれることをサポートします。自信が持てないと思っているなら、自分のために、ゆっくり時間をとってみませんか?カウンセリングを受けることで、あなたらしく生きるための仕切り直しの機会になればと思います。