子どもを愛せない母親‥

自分の子どもにイライラする、かわいく思えないとなど、子育て中に我が子に否定的な気持ちを持たない親などどこにもいません。自分の身ひとつを考えればよかった時とは違い、待ったなしの子どもと年中無休でずっと向き合うことは大変なことです。

忙しい時に限ってうるさくつきまとう、出かけようとしている時に限って言うことをきいてくれない、寝ない、食べない、だだをこねる、かんしゃくを起こすなど、大人のタイミングとは全く違うところで動いている子どもにイライラすることは無理もありません。

育てにくい、言い出したらきかない、主張が強いなど、イライラ感はさらに増すことでしょう。友達にいじめられたり、なかなか友達の輪の中に入れなかったり、自分の思いを主張できずにいる引っ込み思案な子どもに、ふがいない思いから「あんたがそんなだからやられるんじゃないの」とイライラしてしまうこともあるかもしれません。

子どもを怒鳴ってしまったり、叩いてしまったりという人は少なくないでしょう。しかし、例え、一瞬はスッとしたとしても、後々こみあげてくる苦い思いに多くの親は苦しみます。本当はそんなことをしたくはないのです。それなのにどうして?と自己嫌悪にさいなまれるのです。

しかし、苦しんでいるのは、あなたが一生懸命に子育てをしている証拠とも言えます。頑張っているからこそ強い気持ちが湧き、怒りをぶつけたくなります。これ以上苦しまないでほしいと私たちは思っています。

愛媛心理相談室ではあなたの子育ての困りについてじっくりとお話を聴かせていただき、あなた自身が少しでも楽に子育てをしてゆけるよう、共に考えていきます。また、一時的な感情でなく「子どもを愛せない」と感じている親御さんもいらっしゃいます。悲しく、つらいことでしょう。その背景には次のよう要因が関係していることがあります。

愛情が持てない母親は失格?

まず誤解をしてはいけないのは子どもを産んだら、すぐに母性が湧いてくるものではないということです。親子の愛情っていうのは、必ずしも絶対的なものではありません。恋愛と同じように一目ぼれするカップルもいれば、付き合っていくうちに段々と愛情が生まれるケースもあります。親子だって付き合わなければ、なかなか愛情は生まれないのが事実です。

動物の親子を見れば、分かるはずです。引き離された動物の親子には、愛情が生まれません。育てていく段階で、愛情が生まれて、子どもを守りたいと思うのです。

それは人間も同じです。私たちの社会では、「親だから子どもを愛するのは当然だ」「愛情がないなんて信じられない」「冷たい母親だ」とか言うんですけど、それは違います。産んだらすぐ愛情があるんじゃなくて、育てたから愛情が生まれ、強くなるんです。

もちろん妊娠中から、生まれてくる赤ちゃんが愛しくてしょうがない、生まれた瞬間から愛情がたっぷり出てしまうという人もいます。

子どもを愛せない原因‥

子育てをしていると、自分の子どもがかわいくないと感じ、子どもを愛せないのは親として失格なのではないか、などと思い悩むことがあるかもしれません。しかし、自分の子どもがかわいくないと思うことは、決して異常なことではありません。

自分の子どもを愛せない、かわいいと思えない原因には、以下のようなものが挙げられます。


① 育児などが忙しく、ストレ溜まっているいる。

② 重いつわりや難産、産後うつに苦しんだ。精神的な不調を抱えている。

③ 望まない妊娠で、仕事などやりたかった道の断念を余儀なくされた。

④ 精神的な不調を抱えている。

⑤ まとまった時間を寝てくれない、ずっと抱っこしていないと泣くなど、子どもが育てにくい個性をもっている。

⑥ 義両親や夫、地域から孤立していて、身近に味方がいないと感じる。

⑦自分自身が不適切な養育を受けてきた。

⑧ 自分自身が幼少期に愛されずに育った。

⑨ 自分自身のことがどうしても好きになれない。

⑩ 関係がうまくいっていない夫や義両親、実両親に、子どもが似ていると感じる。

⑪ よい母親でありたい、ダメな母親だと思われたくないと常に思う。


子育ては、自らの子ども時代をなぞるといわれています。例えば、泣いている子どもを見て、抑え込んできた子ども時代の悲しみが刺激されたり、思いきり自己主張をする子どもに「自分は我慢してきたのに、ワガママをいうなんて許せない」と感じてしまったりするなどです。

息子は可愛いのに、娘は可愛くないというケースもよくありますが、これは同性である娘に、自分を投影しやすいからだと言われます。

そんな時は、「気の持ちようで何とかなるものなのに、どうしてできないのだろう」と自分自身を責めることなく、助けを求めましょう。あなた自身がこれ以上苦しまないように、愛媛心理相談室のカウンセリングでは、あなたの気持ちの整理やこれからの在り方について仕切り直す作業をお手伝いしたいと思います。

愛があるからこそ愛せていない自分に悩む‥

親なのに子どもを愛せないと思いそんな自分は親として失格だし、人間としても最低よねと自己否定してしまう方いらっしゃいます。

親なら子育ては楽しいものだろうし、我が子を愛せない私はダメ人間どうしたら子どもを愛せるようになりますか?そのようなお悩みを持つ方が来られることがあります。

人はどうでもいい事では悩まないものです。

例えば、健康になりたいと思っている方は、自分の食生活などに気を付けますよね。
それは健康になりたいからです。
健康になりたと思っていなければ、食生活に気を付ける事は殆どないと思います。

つまりは子どもを心から愛したいからこそ、愛せていないように感じている自分の事を最低と思ってしまうのではないでしょうか?

私たちは自分の親にしてもらったように周りの方に接するものです。それは家族との関係が人間関係のルーツだからです。何時も叱責されながら育てられた子どもは親になった時、自分の子どもを叱責しながら育てる傾向があります。もしかしたら親も自分の親に叱責されながら育ったかもしれません。

昨今はSNSなどの情報過多の時代で子どもは褒めるといいらしいが、自分は叱責ばかりでこれは愛していない事よねと思うかもしれませんが、叱責するから愛せていないわけではないと思います。

自分を受け入れ、新たな一歩を踏み出す‥

自己受容は、この問題を乗り越えるための第一歩です。自分の全てを大切に思う心が、自己愛となり、それがやがて子供への愛情へとつながります。

幼少期を振り返り、自分がどれだけ健気に生きてきたかを思い出してみてください。その努力が、今の自分を形作っているのです。それに気付くだけでも、自分に対する愛情は深まります。 

実践的な対処法‥

今、あなたは自己否定否定していませんか?自己否定が強いと出来ていない所ばかりが目につくものです。

「そんなことも出来ないの!」「何をやっても駄目ね!」など子どもに言っているとしたら親である自分自身にも同じような事を思い言っていないか、チェックしてみて下さい。

自分に厳しい言葉を言っていると、子供にも同じように厳しくなってしまうものです。子どもに厳しくしてしまうからといって子どもを愛していない事とはならないと思います。

それは出来ていない自分を思うと辛過ぎるので、子どもには自分と同じような辛い思いをしてほしくないという親心から、厳しい言葉になっている事が考えられるからです。

そういった状況に陥っているなら、下記にあるように自分の気持ちをゆっくりと見てみてください。

① 自分の感情に耳を傾ける

② 感情の共有を試みる

③ 自己批判を避ける

日々の感情に意識を向け、「今、自分はどう感じているか?」を確認すること。 信頼できる人と自分の感情を共有することで、感情表現の成功体験を増やし、徐々に話しやすくなります。

自分を責めることなく、今感じていることを素直に受け入れること。自分自身の気持ちに正直になることで、自己への理解が深まり、自己愛が育まれます。そして、それが真の親子の絆へと発展していきます。子どもを愛せないと悩むあなたも、まずは自分自身を愛することから始めてみてはいかがでしょうか。

お母さん‥ 自分を責めないで!

子どもにすぐに愛情を持てない自分を責める必要はありません。育てていくうちに愛情や思いやりは自然に生まれてきます。「もっと愛さないといけない」と自分を責めているうちに、むしろ子どもの存在が負担になってくることのほうが心配です。

「子どもを愛せない自分が悪い」「この子さえいなければ悩まなくて済むのに」「この子のせいだ」「母親失格だ」と、全部後ろ向きな気持ちになってしまうのです。

子どもと付き合っていくうちに徐々に愛情は生まれてくるもんだと信じてください。大好きという感情ではないかもしれないけど、家族としての愛情は必ず芽生えてきます。

毎日、抱きしめて、一日中一緒にいたいっていう気持ちがなくても、子どもを大事にしたいという気持ちがあれば大丈夫です。我が子を無事に育てて、幸せな人生を送ってもらいたいという気持ちさえあれば、それは親の責任を果たしていると私は思います。