仕事に行きたくない‥
朝起きて仕事に行くのが憂鬱、何度も仕事に行きたくないと思ってしまう、誰もが一度は経験のしたことがあるのではないでしょうか。疲れている時、仕事が忙しい時、仕事でミスをした時など、一時的に仕事に行くのがしんどい時があるでしょう。
しかし、長期にわたってそう感じている時や、仕事に行きたくなくて自然と涙が出る、というような症状がある場合、うつ病の初期症状かもしれません。
特に、仕事の拘束時間が長い場合、やりがいのある仕事だったとしてもだんだんと精神的に辛くなりやすいです。頭痛や倦怠感、食欲の減退などの症状が出やすくなり、身体の不調から心の不調へと発展してしまいます。
また、やりたい仕事ではない場合や向いていない仕事の場合、職場の人間関係が良くない場合も、だんだんと精神的にしんどくなりやすいです。
責任感が強い人ほど、「休みたいなんてただ甘えているだけ」「休んだら周りに迷惑がかかるのではないか」という気持ちから、無理を続けてしまいがちです。
しかしうつ病の初期症状などがあらわれている場合は、無理を続けると本格的に病気が悪化してしまうことがあります。ある日突然起き上がれなくなる、というケースもあるので、ひとりで抱え込まずに周りに相談してください。
仕事に行きたくない理由‥
仕事に行きたくないと感じる主な理由は、以下のようなことです。
① やりがいを感じないから仕事に行きたくない
② 人間関係にストレスを感じて仕事に行きたくない
③ 職場や仕事自体がストレスに感じて仕事に行きたくない
④ 頑張っても評価されないから仕事に行きたくない
ちょっとした考え方や方法で対処できるものもあります。詳細を見ていきましょう。
① やりがいを感じないから仕事に行きたくない‥
仕事に対するやりがいを感じないと、自分が仕事をする意味が分からなくなり、仕事に行きたくなくなってしまいます。一日の時間の大半は仕事をしていますから、やりがいがないと仕事に打ち込めなくなるのも当然です。
「私はこの会社に必要ない」と思いつめてしまう可能性もあります。「そもそも仕事が楽しくない」「会社の方針が合わない」場合もやりがいを失いやすいです。
ただ仕事をしないと給料がもらえませんから、「生活費を稼ぐためだけに」惰性で会社に行く場合も。仕事がただの作業になってしまうので、仕事に対するモチベーションはますます下がるでしょう。
もし今の仕事が自分に合っていないと感じたらカウンセリングをおすすめします。
② 人間関係にストレスを感じて行きたくない‥
同僚や上司といった職場の身近な人との人間関係が良くないと、やるべきタスクが手につかず、業務に悪影響が出てしまいます。身体的なストレスよりも、人間関係で感じるストレスの方が心に傷を負いやすいです。
「上司から何を言われるかわからない」「同僚と顔を合わせるのがつらい」など、職場にいるだけでストレスを感じるなら要注意です。職場自体がギスギスし、雰囲気がよい職場で自分だけ馴染めていないと、ストレスにつながります。
厚生労働省の令和2年度調査では、男性の退職理由の第3位、女性では第1位に「人間関係」がランクインしていました。多くの人が職場の人間関係が理由で転職しているとわかります。
人間関係は、自分のマインドで簡単に変えられるものではありません。職場の人間関係で強いストレスを感じている場合は、転職も視野に考えることも必要かも知れません。
③ 評価されないから仕事に行きたくない‥
仕事を一生懸命頑張っても、評価につながらずに上司からも認められず、給料も上がらなければ仕事に行きたくなくなってしまいます。
「仕事が評価されないからストレスを感じる」人は、根性があって努力できる場合が多いです。ただ頑張りすぎて、求められていない部分に集中してしまっている可能性もあるかもしれません。
例えばプレゼン資料の作成を頼まれた、AさんとBさんがいるとしましょう。根性型のAさんは3日間も残業し、詳細なデータを記載した100ページもの資料を完成。反対にBさんは、一目で要点が把握できる5ページの資料を、わずか1日で作って提出しました。
Aさんの頑張りは素晴らしいですが、実際の業務で求められているのはBさんの資料です。過程ではなく結果が求められる社会では、Aさんタイプの人はもう少し肩の力を抜いみてもいいかもしれません。
相手が求めているのは何なのか本質を捉え、じっくり時間をかけるのではなく「最短」でたどり着くような働き方をしてみましょう。仕事に対する取り組み方を変えた途端に結果を出せる可能性もあります。
自分の要領に自信が無くても、変わろうとする努力や頑張っている姿を見てくれている人はいます。もし色々なアプローチで仕事をしても評価されないなら、その会社はあなたがいるべきところではないかもそれません。
行きたくないと思ったときの対処法‥
仕事に行きたくないと思ったときの対処法には、以下の6つが挙げられます。
① 睡眠、健康的な食事、適度な運動をおこなう
② 客観的に自分の状況を考えてみる
③ 友人、同僚、上司,、カウンセラーに相談してみる
④ リフレーミングをおこなう
⑤ 仕事を休む
⑥ 仕事のモチベーションが上がる方法を考える
ここでは、それぞれの対処法について解説します。
① 睡眠や健康的な食事、適度な運動が大事‥
仕事に行きたくないと思ったときは、生活習慣を見直しましょう。生活習慣が不規則な場合、自律神経が乱れ、ネガティブな感情を引き起こす場合があります。
以下のように、睡眠や健康的な食事、適度な運動を意識して取り組むだけでも、ポジティブな気持ちになれるかもしれません。
睡眠:8時間以上の睡眠時間を確保する
食事:五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)をバランス良く摂取する。
運動:現在より10分多く体を動かす。
「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを増やすことを意識することも大切です。セロトニンは、日光浴をしたりビタミンB6やマグネシウム、亜鉛を摂取したりすることにより分泌を促せます。
また、厚生労働省からは、運動習慣のガイドライン「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が示されています。ガイドラインを参考に運動に取り組むと良いでしょう。
② 客観的に自分の状況を見る‥
仕事に行きたくないと思ったときは、客観的に自分の状況を考えてみましょう。ノートや紙に、自分の強みや弱み、頑張ってきたことを書き出し、状況を整理します。
自分の状況を整理することにより、自分を客観視でき、自分がネガティブな感情を持っている理由や原因がわかります。
客観視した結果、思いつめる必要がないと思う場合や、解決策が見つかる場合もあるかもしれません。頭だけで考えるのではなく、視覚化したうえで自分の状況を考えることが大切です。
③ 友人や同僚、上司に相談してみる‥
友人や同僚、上司に相談することも、対処法のひとつです。ひとりで考え込んでいると、客観的な思考ができない場合があります。
友人や同僚などの信頼できる人に相談することにより、自分の状況を整理できるケースがあります。新たな気づきを得られたり、話すことにより気持ちが晴れたりすることもあるかもしれません。
業務量や責任が負担になっている場合は上司に相談し、業務量の調整や業務内容を変更してもらうことにより、気持ちが楽になる場合もあります。
苦手な人が職場にいることにより、強いストレスを感じる場合は、思い切って異動願を出してみるのもひとつの方法でしょう。ひとりで抱え込まず、周囲に助けを求めることが大切です。
④ リフレーミングを行う‥
リフレーミングをおこなうことも、仕事に行きたくないと思ったときの対処法に挙げられます。リフレーミングとは、物事や出来事の捉え方を変えることにより、これまでとは異なる見方を得る思考技術です。
今は嫌な業務があったとしても「将来を考えると役に立つ」と考えることにより、頑張る気持ちがでてくるかもしれません。長期的な視点で捉え、ポジティブな捉え方に切り替えることがポイントです。
⑤ 思い切って仕事を休む‥
仕事に行きたくないと思ったときは、思い切って仕事を休むことも必要です。周囲の目が気になり、休むことに抵抗を感じるかもしれません。しかし、このままストレスをため続けた場合、体を壊してしまう可能性も考えられます。
頭も体も仕事から離れ、リフレッシュすることにより、ネガティブな気持ちを解消できます。数日の休みでは気持ちが解消されないのであれば、休職を選択することもひとつです。
医師の診断や休日日数といった条件を満たせば、傷病手当金を受給できる場合もありますので、収入面に不安を感じる方は確認してみるのもよいでしょう。
先の人生を良いものにするためにも、先行投資と捉え、仕事から離れることが大切です。
⑥ 仕事のモチベーションが上がる方法を考えてみる‥
自分なりに、仕事のモチベーションが上がる方法を考えることも、対処法のひとつです。「この日まで頑張ったらスイーツを食べよう」「週末は旅行に行こう」といった、仕事後の楽しみを計画すれば、モチベーションが上がることもあります。
仕事前に美味しい朝食を食べて、気分を上げてから仕事に向かうのも良いでしょう。自分なりのご褒美を計画することが、モチベーション向上につながります。
仕事が辛い人へのカウンセリング‥
「仕事に行きたくない」という感情は多くの人が持つ感情です。仕事に行きたくないと思う主な理由や原因には、以下の6つが挙げられます。
① 職場の人間関係に悩みがある
② 休み明けに休日とのギャップを感じる
③ 仕事で大きなプレッシャーを感じる
④ 給与や評価に不満がある
⑤ 仕事量が多い・忙しい
⑥ 仕事にやりがいを感じられない
これらの状況は誰しもに起こりえることです。なぜ「仕事に行きたくない」と思うのかを理解し、受け止めたうえで対処する必要があります。
ただし、強いストレスを感じているのにもかかわらず、我慢をしすぎてしまうのは危険です。まずは仕事から離れ、気持ちを落ち着かせたうえで、今後の行動を検討しましょう。
仕事に行きたくない、というのは誰しもが一度は経験することで、それがただの甘えなのか、本当に休んだほうがいいレベルなのか、なかなか判断がつきませんよね。本人も判断が難しいですし、周りの人はなおさら判断がつかないですよね。
家族や友達に相談してもなかなか答えが見つからない、どうすればいいか分からない、そんな方はぜひ、愛媛心理相談室のカウンセリングを活用してみてください。カウンセラーが専門家の立場から、親身に相談に乗らせていただきます。