アダルトチルドレン(AC)とは‥

アダルトチルドレン(AC)は、子ども時代の家庭環境や親の言動や行動が大きくかかわります。例えば、アルコール、薬物依存、心理的・物理的虐待、ネグレクトなどに起因する心の傷を持つ大人を指します。

こういった経験を持つ人たちは、過度な自己責任を持ち、自己否定、難しい人間関係、依存性、感情のコントロールなどが困難などが多いようです。こういった問題は無意識のうちに形成されていきますので、大人になっても影響を受け続けます。

アダルトチルドレン(AC)とは、子どもの頃に親や養育者など家族から受けたトラウマによって、大人になってからも自身が生きづらさを感じながら生活している人のことです。

大人になった今も、子ども時代に親や保護者からの適切な愛情や育成を受けられず、発達段階における問題を抱え続けている状態を指します。

問題ある家庭環境で育ったことが原因となり、様々な精神的な問題を抱えることを意味しますが、これには必ずしも明確な診断基準があるわけではなく、その特徴は個々人によって異なります。

アダルトチルドレンは医学的な診断名ではありません。元々は、アルコール依存症の親のもとで育てられた子ども「Adult Children of Alcoholics(ACoA)」という意味で使われていた言葉です。

次第にその解釈は広義的になり、現在では肉体的・精神的虐待や過干渉など、様々な家庭環境、問題を持つ親の元で育ち、トラウマや問題を抱えたまま大人になった人のことをアダルトチルドレンと呼ぶようになりました。


よくある症状‥

〇 自尊心が低い

〇 周囲の期待に過剰に応えようとする

〇 嫌なことでもはっきり断れない

〇 依存傾向がある

〇 過剰に自責的で罪悪感を抱きやすい

〇 親密な人間関係が築きにくい  etc


インナーチャイルドとアダルトチルドレンの違い‥

インナーチャイルドは、幼少期のトラウマによって抱えてしまう負の感情のことです。 アダルトチルドレンは、その負の感情に縛られて自分らしく振る舞えなかったり生きづらさを感じたりする状態にいることです。  

インナーチャイルドが傷ついている大人をアダルトチルドレンといいます。幼少期に負った心の傷が癒されておらず、生きづらさを感じている人です。

「大人っぽい子ども時代」とは、礼儀正しい、敬語が使えるなどといった表面的なことではなく、子どもらしく素直に大人に甘えたり、無邪気に感情を表したりせず、不完全な家族の隙間を埋めるために何らかの演技をしていた子のことです。日本人は、実に8割がアダルトチルドレンと言われています。

これらのトラウマや感情は、アダルトチルドレンの行動や思考に影響を与えます。インナーチャイルドは、無力感、不安、自己否定などの感情を抱き、適切なケアや癒しを必要としています。

これらの理解を深めることは、自分自身や他人の行動や反応に対する新たな視点を提供し、感情的な癒しにつながります。特に、家庭や仕事、子育ての責任の中で、自分自身の心の声に耳を傾けることが難しいことが多いようです。しかし、自分自身の感情や過去の経験を理解し、受け入れることは自己成長と家族関係の改善に不可欠です。

ここで、カウンセリングが大きな役割を果たします。このカウンセリングは、アダルトチルドレンやインナーチャイルドに関連する問題を持つ母親たちを対象に、専門的なカウンセリングを通じて、自己受容、心の傷の癒し、そして家庭内の調和を促進するための具体的なカウンセリングスキルを学習します。

心の傷を抱える親たちが、自分自身を理解し、心の癒しを求めるための第一歩を踏み出すことをサポートしています。このようなサポートがあれば、日々安心し、心穏やかになっていくはずです。母親自身が心の平穏を取り戻すことで、家族全体の幸福にも良い影響をもたらすことを忘れないでください。

インナーチャイルドとは‥

インナーチャイルドは、心の奥底に宿る、過去の経験や感情を持つ、内なる子どもの姿を指します。私たちは生きていく中でさまざまな出来事や経験を通して成長していきますが、その中で過去に受けた傷や痛み、特に子ども時代のトラウマは、大人になった今も心の中に深く残っていることが多いのです。

これらの経験が積み重なっていくとインナーチャイルドは、自らの痛みや不安、恐れに対処するためのメカニズムとして確立されることがよくあります。

インナーチャイルドという概念は、アダルトチルドレンの人達の回復サポートとして考えられました。アダルトチルドレンの人達は、幼少期、問題のある環境で育ったためにインナーチャイルドが傷ついてしまい、大人になってからもその傷が癒されずにいるために生きづらさを抱えていると言われています。  

このインナーチャイルドは、心の中で未消化のままの感情や問題、悲しみや怒りなどを抱えていることが非常に多く、大人としての私たちが日常の出来事や対人関係で直面するさまざまな問題や感情の反応の背後にもその影響を与えています。

自分が合理的な考え方で行動しようとする一方で、この内なる子どもは感情主導で反応するため、時として葛藤や混乱の原因となることもあります。

インナーチャイルドを引き起こす原因‥

インナーチャイルドを引き起こす原因は、幼少期にあります。10歳くらいまでに身体的または精神的な暴力を受けたなど、なんらかの問題を抱えてしまい、それがトラウマになっていることが原因です。

自分の心を守るために、幼いながら「甘えたい」などの自分の感情を抑え込んだり、欲求を出さなくなくなったりします。それによって、大人になっても子どもの頃の出来事がトラウマとなり、子どもの頃と同じ考え方や習慣を繰り返してしまうのです。

例えば、「言い返しても何も変わらない」などと考え、自分の殻に閉じこもってしまうような状態が挙げられます。

インナーチャイルドの特徴‥

インナーチャイルドの影響で引き起こされる症状は、人さまざまです。人によっても育った環境は似ているようで大きく異なるものです。みんな同じ症状が出るわけではありません。いくつもの症状が出ることがあります。 

インナーチャイルドの影響で引き起こされる症状は、このように人さまざまです。人によっても、育った環境によっても違います。また1つの症状だけが出るわけではなく、複合的にいくつもの症状が出ることもあるでしょう。


①  孤独を感じやすい・自信が持てない

②  孤独を感じやすい

③ 対人関係がうまくいかない

④ 自分自身を否定し、愛せない 

⑤ 自己否定ばかりする

⑥ 対人関係を築きにくい

⑦ 良い子を演じる

⑧ コンプレックスを感じやすい。

⑨ 感情を出せない

⑩ 人の世話をしすぎる

⑪ 自己中心的

⑫ 問題から逃げてばかりいる


アダルトチルドレンの特徴‥

アダルトチルドレンの定義は難しく、育った家庭環境や親の問題など、抱えてきたトラウマによって、その性格もさまざまです。しかし、大きな共通点として「自尊心が低い」という特徴があります。

人間が自己肯定感を高め自尊心を育むためには、成長過程において「ありのままの自分を愛してくれる」環境が必要です。親に何らかの問題があり、虐待されていた場合や親の望んだ通りにしなければ愛情を受けられないなどの環境で育った子どもは自尊心が持てず、「自分は価値のない人間だ」と思い込んだまま大人になってしまいます。

自己肯定感や自尊心が低い人は、「周囲の期待に過剰に応えようとする」「嫌なことでもはっきり断れない」といった自身の考えを抑え込みストレス過多な生き方をする傾向があります。また、自責的・自虐的な人や被害妄想が激しく攻撃的な性格になってしまう人もいます。


① 人に依存しがち‥

アダルトチルドレンの特徴である自己肯定感や自尊心の低さは、人間関係の構築にも大きな影響を与えかねません。自尊心の低い人は、自分の価値や存在意義を周囲の人に必要とされることや愛されることで測ろうとします。

そのため相手に好かれようと無理をしたり、相手の言いなりになったりと、依存してしまう傾向が強いです。また相手と共依存の関係になりやすく、お互いが自立できなくなってしまうこともあります。


② 心の病にかかりやすい ‥

アダルトチルドレンは、毎日の生活に生きづらさを感じ、ストレスを溜め込んでしまうことからうつ病や摂食障害、アルコール依存症、不安障害、適応障害など二次的な精神疾患にかかりやすい傾向です。

また、これまで挙げていた症状によって日常生活に大きな支障をきたしている場合は、パーソナリティ障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの診断がつく場合もあります。


③ アダルトチルドレンの問題点‥

アダルトチルドレンは、完璧主義、コントロール欲求、自己犠牲などの傾向を示すことが多いです。これらの行動は、ストレスや不安、うつ病などの心理的疾患を引き起こす要因となり得ます。また、親との関係性だけでなく、他人との関係を築く上でも悪影響を及ぼすことになり、全体的な生活の質を低下させる原因となります。


アダルトチルドレンを生み出す原因‥

アダルトチルドレンの背後には複雑な要因が存在し、それぞれが相互に影響しあっています。主要な原因を深く掘り下げてみることで、アダルトチルドレンを理解するための要点を明らかにできます。以下では、家庭環境から社会的要因に至るまで、アダルトチルドレンの成立に貢献する可能性のある様々な原因を解説していきます。 



虐待やネグレクトを受けて育った‥

アダルトチルドレンの代表的な原因の一つに、家庭内での虐待やネグレクトがあります。身体的虐待には、殴る、蹴る、強く揺さぶる、投げ落とすなどの行為が挙げられます。また罵声を浴びせる、無視、DVを見せるなどの心理的虐待や、性的暴行、ポルノを見せられる、ポルノグラフィの被写体にされるなどの性的虐待を受ける子どももいます。

ネグレクトも虐待の一つです。学校に行かせないなどの子どもに必要な教育を受けさせない教育ネグレクトや、生活費を渡さない、子どもから金銭を搾取するなどの経済ネグレクトの他、家に閉じ込める、食事を与えない、医療を受けさせないなどがあります。

このような虐待が日常的に行われる環境にいる子どもは、虐待から逃れるために自分を抑圧したり、大人を怒らせないように無理していい子を演じたりします。こうした行動は、子どもにとって虐待から身を守るために必要な振る舞いです。しかし社会に出てから様々な問題につながる要因となりやすく、うまく人間関係を築けなくなる場合があります。


② 機能不全家族のもとで育った‥ 

機能不全家族とは、人格を尊重しながらお互いを支え合う家族として、十分機能していない家族のことです。機能不全家族は生活困窮者やアルコール依存症など、外側から見てもあきらかに問題がある家族とは限りません。

一見普通の家族に見えても、親が子どもに無関心または過干渉、共依存、子どもへの愛情が条件付き、役割放棄、子どもを褒めない・認めないなど、子どもが日常的にストレスを感じながら生活しなければならない環境は、すべて機能不全家族と言えます。


③ 親がアルコール依存症だった‥ 

アルコール依存症の親はお酒を飲むことばかりに意識が集中し、家族への配慮ができなくなるため、機能不全家族の原因となりやすいです。子どもにお酒を買いに行かせる、アルコールが切れると周囲に暴力を振るうといった親の行動は、子どもの心身に大きな影響を与えかねません。


④ 毒親に育てられた‥

毒親とは子どもに悪影響を与えたり、負担になったりする、その名の通り「毒」となる親のことです。例えば子どもの行動を常に監視し口出しする過干渉、完璧主義ゆえに子どもに過剰なプレッシャーを与える、子どもの幸せを邪魔するなどの行動が該当します。

毒親に育てられた子どもは思考力や判断力を奪われ、成長して社会に出たときに仕事や人間関係などにうまく適応できない傾向です。
また毒親に育てられた人は、自分が親になったとき、自分の子どもに同じような振る舞いをしてしまうことがあります。


インナーチャイルドカウンセリング

インナーチャイルド・ケア(カウンセリング)は心理療法の一種です。あなたの過去の大小のトラウマや人間関係(主に親子関係)から、あなたの心の中に生じたインナーチャイルド(内なる子ども)を理解し、癒し、現在の問題の解決策を見つけていくことを目的としています。

インナーチャイルドカウンセリングでは、インナーチャイルドと対話をし、その思いや感情を受け止め、癒し、勘違いを取ることで現在の問題の新たなとらえ方や対処法を身につけていきます。

このように説明すると難しいことのように感じるかもしれませんが、専門家の元で行うインナーチャイルドカウンセリングは、専門家がお手伝いをしますので難しいことはなく、ゆったりした気持ちでお受けになれると思います。

私の元でインナーチャイルドカウンセリングを受けられた方にも、人生が変わったという方も少なくはありません。大げさな言い方にはなりますが、あなたの未来を創る上で、非常に重要な事でもあるのです。

カウンセリングを受けるメリット‥

インナーチャイルドカウンセリングを受けるメリットを6つあげておきます。

① 人間関係がよくなる

② 恨みが消えて心が楽になる

③ 現在の悩みの解消に役立つ

④ 思い込みが変わる

⑤人の目を気にせずに、自分らしく生きられる

⑥ 自己肯定感が上がる


① 人間関係がよくなる‥

人間関係がうまくいかない原因に、あなたのインナーチャイルドの反応があります。これはインナーチャイルドがその環境で生き抜く為に身に着けた方法であり、無意識の世界で起こります。けれど、この方法は大人になったあなたに合った方法ではありません。

インナーチャイルドが癒されると、この無意識の反応とは異なる大人のあなたとしての理性的な対応ができるようになります。その結果、あなたは経験を積んだ大人として人間関係を作ることができるようになるのです。


② 恨みが消えて心が楽になる‥ 

多くのインナーチャイルドは親の言動に傷つき怒り、恨みを抱えています。インナーチャイルドカウンセリングを受けることで長い間の恨みを解消することができます。

我慢していたことを口に出し、癒されることで、岩のように固まった怨みの感情は徐々に砕け、溶けていきます。今までずっと自分の心を封印して苦しんできたことが嘘のように楽になっていきます。

インナーチャイルドは「怖かった!」という一言を言えず我慢してきたかもしれません。たったそれだけのことかもしれませんが、その感情は発散されず積もっていきます。この感情が心や体を蝕んで苦しみとなります。その感情を解放することで、心が軽くなりスッキリとした気持ちになるのです。


③ 現在の悩みの解消に役立つ‥

インナーチャイルドカウンセリングはインナーチャイルドを癒し、成長させることで、現在の悩みの解消にもつながります。なぜなら、インナーチャイルドは現実をつくっているその人の思考・感情・行動パターンだからです。現実はその人の思考・感情・行動パターンが核となって徐々に創られていきます。

インナーチャイルドを癒し、成長させることで、核の部分が変化し、現実もそれに伴った現実へと変化していきます。成長したインナーチャイルドは、現在の悩みにどう対処すればいいのかの答えを見つけることができるのです。


④ 思い込みが変わる‥ 

思い込みが変わるということは、インナーチャイルドカウンセリングの大きなメリットです。思い込みは良くても悪くても関係なく、あなたの人生をその思い込みのように展開させていきます。仮に悪い思い込みだとしたら、あなたの人生はかなり辛いものとなるでしょう。

例えば、「母は未熟だ」という思い込みがあれば、いつも母親を見下す現実が続きます。その結果、母親だけではなく年上の女性や上司に対しても未熟だと感じる人を見下すことになり、人間関係があまりうまくいかなくなります。

インナーチャイルドカウンセリングによって思い込みが「母は大人でしっかりした人」と変化すると母親を尊敬できるようになり、親子関係にも秩序が生まれ仲良くなれます。また、年上の女性や上司も素晴らしい先輩としてみることができ、人間関係もうまくいくようになります。


⑤ 人の目を気にせずに、自分らしく生きられる‥ 

インナーチャイルドは、周囲の大人(養育者)に気に入られなければ生きてはいけませんでした。だから、人の目を気にして自分を殺すことは、必然のことだったのです。

人の目を気にして人の評価を気にして生きることは、とても生き辛いですよね。でも、大人のあなたにそれは必要ありません。

インナーチャイルドが癒されればその生き辛さを捨てて、誰の目も気にせず評価も気にせず、自分を押し殺すことなく生きていけるようになるのです。


⑥ 自己肯定感が上がる‥ 

インナーチャイルドを癒し、成長させると自己肯定感が上がります。これも大きなメリットですインナーチャイルドは、傷ついた過程や元々持っている子どもっぽい考え方のため自己肯定感が低くなっている場合があります。インナーチャイルドを受け入れ、十分に癒し、成長させることで、自分を認めることや自分にもできるという感覚を持てるようになります。

例えば、「自分は愛されていない」と思っていたインナーチャイルドが、本当は愛されていたと感じられることで、自分自身を受け入れることがたやすくなります。人生に安定感が生まれます。インナーチャイルドカウンセリングには、自己肯定感を上げることができる大きなメリットがあるということです。


自分自身を客観視すること!

アダルトチルドレンは6つのタイプに分類されます。全てのタイプに共通していることは、自尊心が低く、常に人の顔色を伺って生きている点です。

① 親の期待の応えようと無理をするヒーロー(英雄)

② 家族の不満や鬱憤を引き受けるスケープゴート(いけにえ)

③ 家族との関係から離れて目立たず生きるロスト・ワン(いない子)

④ ケアテイカー(世話役)

 ⑤ 家族の顔色をうかがいながら「道化」を演じるピエロ(道化師・クラウン)

⑥ 過剰な献身で相手の問題行動を助長するイネイブラー(慰め役) 

またアダルトチルドレン自身は、ある程度成長するまで自分の育った環境が特殊だったことや、そのような役割を担っていたことに気付かずに生きています。アダルトチルドレンを克服するためには、まずは自分自身を客観的に見つめ、本当の気持ちを解放するアプローチが大切です。 

ほとんどのアダルトチルドレンの方は、自分の人生を生きることができず、無力感や絶望感、無意味さを抱えながら生きています。そして、他者のために犠牲になるような選択をしてしまいがちです。そうした中ではやりがいや生きがいを感じることはないでしょう。あっても、部分的でしょう。

前述した、良い自己像が健全に育っていくと、自分のために時間や労力を割けるようになります。その過程で、楽しむという体験も増えていくでしょう。アダルトチルドレンの方は楽しむことができない方が多いようですから。そして、長い人生の目標について考えることができるようになり、その目標に向かって進むことそのものにやりがいや生きがいを感じることができていくようになります。

一見苦痛な勉強、労働、訓練なども手応えのある行動と体験されます。先の目標を達成するために、今目の前の課題に取り組めますし、その課題をこなすことそのものが喜びとなっていくでしょう。これこそが自分を大切にするということにもつながっていきます。