あがり症を克服する‥

「人前で緊張しやすく、話すのが苦手‥」「ちょっとしたことですぐに顔が赤くなってしまうので、恥ずかしい‥」といった悩みを抱えている方は少なくありません。実は過去の私がそうでした。

しかし、このような「あがり症」や「赤面症」の経験が、一時的なものにとどまらず日常生活にまで影響を及ぼしている場合は、何らかの対処が必要です。

ここでは、「あがり症」や「赤面症」の症状や原因をお話するとともに、症状の改善につながるカウンセリング法をいくつかご紹介します。あがり症や赤面症の自覚がある方、過度な緊張でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 

そもそも「あがり症」とは‥

あがり症は、大勢の人の前で話をするなど、人から注目される場面で、次のような身体症状が強く表れる状態をいいます。

□ 心拍数が増加する

□ 呼吸が浅くなり、喉が詰まるような感じになる

□ 手足の震えが止まらない

□ 顔が赤くなる

□ 汗が止まらなくなる などです。

このような症状が一時的なものであれば、単なる「あがり体験」と捉えていいでしょう。しかし、通常の会話をするだけで強い緊張や不安を覚えるなど、仕事や日常生活に支障が生じるほどのあがり症は「社交不安障害」という病気の可能性があります。

聞いたことがあると言われる方も多いでしょうね。社交不安障害は決して珍しい病気ではありません。世界的に見るとその有病率は3~13%といわれています。

発症時期は8~15歳の学童期が多いとされ、子どもの場合は緊張する場面を避けるために、学校を欠席したり退学することで見つかるケースも少なくようです。また、担任教師、スクールカウンセラーなどへの相談から明らかになることもあるようです。

もちろん、大人になってから社交不安障害を発症する場合もあります。実際、社会人になってから会議や営業先など人前で話をする場面で発症し、周りからの指摘で気付くケースもあります。

一方で、社交不安障害の症状が家庭内で表れることは少ないとされているため、家族からの指摘で気付くことは少ないようです。

あがり症の症状‥


① 赤面症(赤面恐怖症)

人前に出ると顔が赤くなる、あるいは赤くなっているのではないかと不安を感じる症状です。頬や耳など、顔が赤くなる場所は人によって異なります。


② 視線恐怖症

人の目を見るのが怖い、どこを見たらいいのかわからない、人から見られるのが怖いなど、人の視線を必要以上に意識する症状です。 


③ 多汗(たかん)症

人前に出るなど緊張する場面で、顔や脇、手などに大量の汗をかく症状です。汗をかいたことに焦り、さらに汗をかくという悪循環に陥ることがあります。


④ 吃音(きつおん)症

吃音症とは、人と話すときスムーズに話せず、うまく言葉が出ない症状です。特に一言目が出にくいのが特徴で、いったん言葉が出るとスムーズに話せることが多いようです。 


⑤ 書痙(しょけい:振戦恐怖症)

人前で文字を書く際に、緊張して手が震えてしまう症状です。来客にお茶を出す際に手が震える、役所で申請書類を書くときも緊張して手が震えるのも、書痙の症状といわれています。 


⑥ 電話恐怖症

職場などで自身の電話対応を周囲に聞かれることに、恥ずかしさや恐怖を感じる症状です。電話対応をする時にうまく話せないだけでなく、電話に出ることすらできない場合もあります。 


⑦ 会食恐怖症

大人数での食事や、1対1での食事ができない症状です。何らかの体験をきっかけに発症することが多く、なかには会食時の沈黙に恐怖を感じるケースもあるようです。 


⑧ パニック症

極度の緊張で「頭が真っ白」になってしまう症状です。話そうとしていた内容を忘れてしまったり、何を話しているのかわからなくなってしまったりするようです。 


⑨ 呼吸困難

不安や緊張により、息の吸い方や吐き方、呼吸の適切なタイミングなどを見失ってしまい、うまく呼吸ができなくなる症状です。焦りで息がしづらくなったり、過呼吸で息を吸い過ぎたりすることでパニックに陥る人も多いようです。 


社交不安障害では、上記のような症状に加えて、不安や恐怖を感じる場面を極力回避しようとする行動異常も見られることがあります。この回避行動が、緊張する場面だけでなく日常生活の場面にまで拡大すると、社会生活に大きな支障をきたすことになります。

また、上記のような症状を放置すると、「うつ病」や「アルコール依存症」を併発する場合もあるため、早期発見・早期治療がとても重要になります。

対人恐怖症の一種「赤面症」‥

先述のように赤面症は社交不安障害の症状の一つです。ただ、赤面症は社交不安障害の一種である「対人恐怖症」として扱われることも少なくありません。

対人恐怖症は、他人との交流や接触に対して強い不安や恐怖を感じる状態のことです。ただし、恐怖や不安の対象が特定の場面や人物ではなく「人間全般」であることから、他人と接することを極力避けようとする傾向があります。

対して、社交不安障害は、特定の場面や人間関係において恥ずかしい思いをすることや、低く評価されることを極端に恐れます。恐怖や不安の対象が特定の状況や行動に限定されるため、必ずしも人間全般を避けるわけではありません。

このように、対人恐怖症と社交不安障害は忌避(きひ:嫌って避けること)する対象が多少異なりますが、両者は関連が深く、症状や治療法でも重なる部分が多くあります。

あがり症・赤面症の原因 ‥

あがり症や赤面症の原因は、今だ明らかにはなっていないようです。しかし、社交不安障害については、交感神経の過度の緊張や、脳内における神経伝達物質のバランスの乱れなどが関係していると考えられています。

社交不安障害の人は、特に脳内のセロトニン(恐怖や不安を和らげる働きのあるホルモン)の量が低下しているといわれています。

また、社交不安障害の発症には性格も関係していると考えられています。例えば、自分の失敗を許せない方や真面目な方が、失敗した経験をきっかけに社交不安障害を発症するケースも少なくないようです。

そのほか、人間関係が複雑になりやすく、緊張・不安を感じやすい社会環境なども影響しているようです。

なお、対人恐怖症を発症した方については、人の顔を見たときに扁桃体が過剰に反応することがわかっています。扁桃体が活発になると、抑え切れないほどの強い恐怖や不安を感じ、同時にその記憶が扁桃体に記憶されるため、負のフィードバックが起こりやすくなるといわれています。

あがり症 Q&A‥

あがり症を発症しやすい年代はありますか? 

小児期でもみられますが、10代半ばでの発症が多く、25歳以上での発症はまれだと言われています。

失敗や恥ずかしい体験がきっかけで発症することも多いのですが、思春期の頃は、自分で自分の価値を認められなかったり、自分に自信がもてなかったりすることから発症することもあると言われます。 

あがり症のカウンセリングはどのくらいの期間がかかりますか?

個人差もありますが、一般的には6ヶ月から1年程度が目安とされています。心理療法では、これまでの考え方や行動のパターンを変えていく必要があります。考え方や行動のパターンを変えるには、ある程度の時間が必要です。

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら快方に向かいますので、一喜一憂せずにじっくりカウンセリングを受けていきましょう。 

あがり症は私の性格の問題でしょうか?

あがり症(社交不安症)が病気であるとはあまり認識されておらず、原因を自分の性格だと考えてしまう人が多いです。もちろん不安が強い性格や心配性、完全主義といった性格であると、あがり症になりやすいと言われています。「こういう性格だから仕方がない‥」と思って不安を抱えながら生活している人はたくさんいます。

しかしながら、あがり症は性格の問題ではありません。性格の問題ではないので、適切な治療、カウンセリング(心理療法)を行えば改善する可能性があります。薬物療法や心理療法などを用いて症状や状態に合わせて治療に取り組むことで、90%以上の方が回復すると言われています。 

すぐ緊張してしまうのですが、これは病気ですか?

多くの人が、大勢の人の前で話したり、大事な試験を受けたりするときなどは緊張してしまいますよね。これは自然な反応です。

ただ、「心配や不安が強くなりすぎて眠れない」「食事ができない」など、日常生活に支障が出る場合や身体的な症状が強く出てしまう場合、不安が強すぎて大事な用事を回避したり、仕事を辞めたりする場合は社交不安症の可能性があるかもしれません。そういった場合は医師の診察が必要な場合もあります。

社交不安症とは、どんな症状が出るのですか?

身体症状としては、「動悸」「赤面」「吐き気」「声や手足の震え」「息苦しさ」「発汗」などが挙げられます。

精神症状としては、「不安」や「緊張」、「予期不安」などを伴います。予期不安とは「また同じ症状が出るのではないか」と心配して不安になることです。「いっそ死んでしまった方が楽だ」と思えてきてしまうくらい、不安が強くなってしまうこともあります。

あがり症や赤面症のカウンセリング‥

人前で話そうとすると汗をかいたり震えが止まらなくなる、過度に緊張してうまく喋れなくなる、そんなあがり症に悩む人は意外に多いようです。

就活での面接、会社でのプレゼン、冠婚葬祭でのスピーチなど、人前で話さなければならない場面というのは結構あります。人前で話す時に緊張するのは普通のことですが、極度に緊張してしまい話すのが困難なほどになると、それはあがり症と判断されます。では、あがり症は何が原因になっているのでしょうか。

生まれつき、あがり症という人はいません。だいたいどこかで、人前で話す時に失敗して恥ずかしい思いをした、上手く話せずバカにされたりからかわれたりした、という経験があり、それが原因で「次も失敗してしまうかもしれない」とプレッシャーを感じ、あがり症になっていくことがほとんどです。

特に真面目で責任感の強い人は、次は失敗しちゃいけない、きちんとこなさなければならない、とプレッシャーを感じてしまい、それがあがり症へとつながっていくことになります。それまでまったく平気だったのに、たった一回の苦い経験であがり症になる、というのは珍しいことではありません。

ではそんなあがり症は、どうすれば克服できるのでしょうか。

あがり症は場数を踏めば治るのでありません‥

あがり症を克服するには、とにかく場数を踏みさえすれば治る、という人がいます。しかし場数を踏んだからといって、より失敗経験が増えれば、あがり症はむしろ悪化してしまうはずです。

あがり症を治すには、緊張する自分を認め、自分を許してあげることです。人間が緊張するのは至って普通のことですし、緊張することと失敗することはイコールではありません。そして今回は○○ができた、と小さな成功体験を積み重ねることで、あがり症は次第に克服されていきます。

「人前で上手く喋れない‥」「次もまた失敗してしまうのではないか‥」そんな風に悩めば悩むほど、さらに緊張してしまいますよね。あがり症を少しでも克服したい、治していきたいという方は、ぜひ愛媛心理相談室のカウンセリングを活用してみてください。 

「あがり症」を克服した方々の声‥
 

高松市 / 33歳 / 男性

私は対人恐怖症、赤面症でこの症状のために学校を退学したり人生色々諦めましたが、生活のためにどうにか会社の人間関係のトラブルが最低限になるようかわしながら今に至るので、実際あがり症だった作者の話はとっても納得いくものだった。

20代は対人恐怖症でも成功したいと、変わってるけど成功者になった人、好きな事で成功した人の本のマネもしたが上手くいかず、30代はやはりこの対人恐怖症治さないと始まらないと感じつつも、今までの経験上治そうと意識すると悪化する事は分かっていたので、どうしたものかと思っていました。このカウンセリングに克服す答えがあると思いました。

私は過去のトラウマになった人間関係が原因で対人恐怖症になったと思っていましたが、ほんとの原因は、理想の自分と現実の自分が乖離してること、また自尊欲求が高い性格にあるんだなと幼少期の出来事を思い出し納得しました

やっと対人恐怖症であること、またそれによって理想の生活ができていない事を諦める事ができて沢山読んでた自己啓発本を捨てました。そして諦めはじめたら、赤面症が気にならなくなってきました。

先生に、自分を大切にする、自分を好きになることの大事さを知ってほしいと何度もアドバイスがあり、自己肯定感を高めることが自分を変えることになるとわかり心理学習を受け、今ではあがり症がほぼほぼ克服できました。私に気づかせてくれたことに感謝しています!


西条市 / 43歳 /女性

私は看護師をしています。患者さんの人前で話すことに苦手意識がずっとありました。
その場を逃げ出すほど難儀しているわけではありませんが、それでも人前で話すのが苦手で、毎日を落ち着かない気持ちで過ごすのが苦痛でした。

しかし、カウンセリングを受けることで、恥ずかしい気持ちをこらえても人前で上がりきること、予期不安はしようがないものとしても、人の目を過度に気にしないこと、などについて私になったカウンセリングをしてください、自然に「まいっか!」という言葉を自分に言ってあげることで、徐々に5患者さんだけでなく、同僚に自然に話すことができるようになりました。

今まで職場では、話す内容についてはしっかり頑張って準備したつもりです。責任感がないわけではないのですが、慣れるまではその後のことは気になっても忘れることを心がけることにしました。

心がけると執着が生まれそうで本当はよくないのかもしれませんが、人前で話をできるようになるには、この二つのことを参考にすることが有効だとわかりました。

カウンセリングで先生が言っていたことをいつも読み返したのですが、そんなに真面目にやるなよ!と先生に言われるので、自分で気が付いたときにメモしていければ良いかな、と思いやっています。

カウンセリングのの内容は実践的な対応策がたくさん詰まったお話ですが、先生は専門的な用語を使うことはせず、すごくわかりやすいお話だったです。あがり症に苦しんでいる自分のことを客観的にとらえて考えられるようにしてくださって本当にありがとうございました(笑笑)
 

松山市 / 29歳 / 女性

あがり症に苦しんだり、緊張しやすい方、不安になりやすい方はカウンセリングを受けることをおすすめします!

カウンセリングを受けることで、じんわりと温かさが心に広がるような話をしてくださいます。やっぱり専門家のカウンセラーさんのお話です。

小学校からあがり症にひどく苦しんだ私は経験者だから言えることは、自分で克服するのはすごく時間がかかると思いますが、こうして勇気を持ってカウンセリングを受けることで【あがり症】が克服できるということです。

あがり症にいいことを、ただ書き連ねた話でなく、一つひとつがイメージでき実行できるようにポイントを一つ一つまとめてくれてくれますのすごくわかりやすかったです!

私の話を聞いてくれながら、立ち止まってはポイントを話、また立ち止まってポイントを話してくれるリズムがとても気持ちを樂にさせてくれました。常になぜ大切なのかを説明してくれるので非常に分かりやすく実行しやすかったです。

ちょっと時間はかかりましたが、もう大丈夫です。本当に長い間ありがとうございました!