
気持の切り替えができない人‥
Vol.12| 2025年6月25日
気持ちの切り替えがうまくできない。嫌な気持ちを引きずってしまう。考えすぎて疲れてしまう。考え事のせいで寝不足になりがち。物事が思い切り楽しめない。集中力がなくなる。身近な人に当たってしまう。
‥など、気持ちの切り替えが苦手なことで、人間関係や物事がうまくいかなくなってしまうことはあると思います。
本日は、気持ちの切り替えが苦手な人の8つの思考の癖とパターン、その解決法として、気持ちの切り替えが上手くなる習慣についてお話ししますのでぜひ最後までご覧ください。
まずは、気持ちの切り替えが苦手な人の8つの思考パターンについてです。
1つ目:自分と他人の区別がない
なぜあの人は、あんなことをするのだろう?あんなことをするなんて信じられない!あんな言い方しなくてもいいのに!などと他人を批判したい気持ちになることは誰にでもあると思います。
だけど実際には、相手が悪いわけではなく、もちろん自分が悪いわけでもないのだけど、それはただの価値観の違いなんですね。
自分から見て信じられないような他人の言動も、その人にとっては普通で当たり前の言動かもしれません。普通に考えてとか、常識で考えたら、の普通や常識は、実は人によって大きく違っていることが多々あります。
こういうことは多くの人が頭では理解しているかもしれませんが、どうしても許せないと感じるのは″自分と他人との区別ができていない”ためです。
自分が大切にしたい価値観や守るべきだと思っているルールを、当然、他人も大切だと考えているはず。当然、他人も守るべきはず。という考えが他人への怒りやモヤモヤした気持ちなどをなかなか切り替えられない思考パターンを作り出しています。
2つ目:白黒思考でジャッジする
白黒思考とは、物事を0か100か、敵か味方か、良いか悪いか、成功か失敗か、など極端に決めつけてしまう考え方です。
例えば、テストで100点を取れなかったら自分はダメな人間だ、試験に合格できなかったから自分には価値がない、プレゼンがうまくいかなかったから自分には能力がない、などとたった1つのことがうまくいかなかっただけで自分のことをダメだと捉えるので、白黒思考で自分をジャッジしてしまう人は落ち込みからの立ち直りも遅くなりやすいです。
また、白黒思考でジャッジする人は、他人に対してもちょっとしたすれ違いがあっただけで、その人との関係はもうダメだと決めつけてしまったり、1つ嫌な部分を見つけただけでその人のすべてを受け付けられなくなってしまったりして、人間関係でストレスを感じやすくなります。
このように白黒思考で自分のことも、他人のこともジャッジすることで、物事をネガティブに捉えやすくなり、気持ちの切り替えがうまくいかない思考パターンを作り出しています。
白黒思考については、白黒思考が自分を苦しめるという「考え方の癖を変えるレッスン」で詳しくお伝えしていますのでよかったらレッスンを受けてみてください。
3つ目:変えられないことにこだわる
世の中には、自分でどう頑張っても変えられないものがあります。それは他人のことと過去のことです。あの時こうしていれば、もっとああすれば良かった、などと過去の失敗についていつまでも後悔し続けてたり、あんなミスをしてしまって恥ずかしい思い出すだけでもいたたまれない気持ちになるなど、過去の出来事についていつまでもクヨクヨと思い悩んでも今更過去の出来事をどうにかすることはできませんよね。
また、あの人さえいなければ、あの人のこういうところが嫌い、もっとこうしてくれたらいいのに、などといくら考えても他人のことを変えることなどできません。
このように、自分ではコントロールできない、計り知れない他人の気持ちや言動、取り戻せない過去の失敗や時間について悩み続けてしまうと、嫌な気分がずっと続くだけでなく、劣等感を強化して自制喪失や人間関係の悪化につながる可能性もあります。
頭のエネルギーは限られているので、変えられない過去の失敗や他人のことに頭を使ってしまっていると、未来のための計画やアイディアに頭を使うエネルギーがなくなってしまいます。
そのため、なかなか気持ちの切り替えがうまくいかない思考パターンを作り出してしまいます。
4つ目:人に合わせてばかりいる
常に他人の顔色を伺って、他人に合わせてばかりいる人は、普段からストレスを溜め込んでいます。
例えば、本当はパスタが食べたいと思っていたけど、友達がカレーにしようというのでカレーにした。友達に誘われたから本当はあまり好みではない映画を見に行った。など嫌われないように波風立てないようについついその場の空気を呼んで、周囲に合わせたり、相手の意見を優先するのが癖になっていると、何かの物事を選択するたびにモヤモヤした気持ちを味わうことになってしまいます。
″自分の意志で物事を選択する人″ほど幸福感が大きくなり、″自分の意志に反した選択をする人″ほど不安感が大きくなります。
人に合わせてばかりいると、常に違和感を感じ続けて、不満やストレス我慢を溜め込んでしまい、なかなか気持ちの切り替えがうまくいかない思考パターンを作り出してしまいます。
5つ目:自分の気持ちにフォーカスしていない
先の人に合わせてばかりいることとも関係していますが、周囲の人間関係や他人の言動など自分以外の外側のことばかりに気を取られていると、自分の内側に意識を向けることがおろそかになってしまいます。
自分の気持ちがわからない、自分がどうしたいのかわからない、自分が本当は何を望んでいるのかもわからない、という人は普段から自分の気持ちにフォーカスしていないんですね。
そのため、自分の気持ちを言語化するのが難しくなっています。
すると、ストレスや不満を感じていても、なんとなく嫌な気持ちモヤモヤした気持ちがあってもそれは自分でもどのように対処していいかわからなくなってしまいます。
無自覚にイライラやストレスを溜め込んで、なかなか気持ちの切り替えがうまくいかない思考パターンを作り出してしまいます。
6つ目:自分の人格を否定する
何かうまくいかないことがあった時に、この方法が違っていたのかもしれない、ここをもう少し工夫したら次はうまくいくかもしれない、などと心配の原因を行動レベルで考えることで建設的に考えて失敗を次に生かすことができます。
ところが失敗の原因を方法や行動レベルで考えるのではなく、自分の考えが間違っていたから自分に能力がないから、自分がダメな人間だから、と人格レベルで考えてしまう人がいます。
このような人は何か悪いことが起きると、全部自分のせいだと捉えて、自分を責める傾向が高いです。自分の人格を否定して自分を責めることが癖になっている人は、落ち込みも激しく、立ち直りが遅くなりやすいです。
そのため、なかなか気持ちの切り替えがうまくいかない思考パターンを作り出してしまいます。
7つ目:楽しみがない
日常に変化が少ない、特にこれといった楽しみがない、というようにメリハリのない生活を送っていると気分転換が難しくなってしまいます。変化のない生活を送っていると、嫌な記憶が消えにくく、気分も変えづらくなってしまいます。
例えば、毎日仕事をして家に帰って寝るだけといったような生活を繰り返しているだけだと、仕事で嫌なことがあった時などに、心の逃げ場がなくなってしまいます。
日常にちょっとした変化や楽しみがないと、慢性的に落ち込みやすくなったり、気分転換ができずになかなか気持ちがうまく切り替えられない思考パターンになってしまいます。
8つ目:生まれ持った特性
8つ目は、思考パターンとは違いますが、気持ちの切り替えがうまくできないのは、生まれ持った特性が影響している場合もあります。
自閉症スペクトラムや注意欠陥多動症などの発達障害がある場合、もしくはグレーゾーンの人も含めて程度の差はあるかもしれませんが、気持ちの切り替えがうまくできない傾向が高いと言われています。
それでは最後に解決法です。気持ちの切り替えがうまくなる習慣について3つのステップでお伝えします。
1つ目:気持ちを整理する
気持ちの切り替えがうまくいかない時は、大抵の場合漠然とした嫌な感情に心が支配されている時です。まずは自分の気持ちにフォーカスして、具体的にどんなことが嫌なのか、今の気持ちを言語化してみてください。
漠然とした不安や心配イライラやモヤモヤなどを具体的な言葉にして、自分がどんなことに悩んだり、気に病んでいるのか気持ちの整理をしてみましょう。
自分の気持ちはよくわからない、うまく言葉にできないという人は、自分の感情がわからない″失感情症”との向き合い方というレッスンで感情を言語化する方法について詳しくお伝えしていますのでよかったらレッスンを受けてみてください。
気持ちの切り替えがうまくいかない時というのは‥
例えば、予測のつかない未来に対する不安不安が拡大することによって引き起こされる、なんとかしなければという焦り自分の領域が侵されている時の違和感やモヤモヤ、傷つけられた時の悲しみや怒りなどの感情に支配されていると思います。
気持ちを言語化する効果としては、自分の心の内側を客観視することができるので、慣れてくると気持ちの切り替えがうまくできるようになっていきます。
2つ目:小さな楽しみを作る
気持ちの切り替えが苦手な人は、普段から自分の気持ちを抑え込んで我慢する癖がついている可能性が高いです。
我慢やストレスを溜め込んでいませんか?心や体が疲れていないでしょうか?気持ちの切り替えがうまくいかないのは知らず知らずのうちに我慢や疲れストレスを溜め込んで心に余裕をなくしていることも大きいです。
普段から疲れやストレスを溜め込まないように、こまめに吐き出してリフレッシュできるライフスタイルや習慣を持つようにしてみてください。
他人のことばかり優先して、自分のことを後回しにしていませんか?時間に追われて自分自身のケアがおろそかになっていないでしょうか?
たまには趣味のためのお出かけをしたり、美味しいものを食べに行く、友達と会う、電話で話すなど、特別なことでなくてもいいので日常にちょっとした変化や小さな楽しみを作ることで気分転換をすることが大切です。
3つ目:体を動かす
心と体がつながっていると聞いたことがある人は多いと思いますが、気持ちの切り替えがうまくいかない時には、体にアプローチすることが改善のきっかけになることもあります。
例えば、軽い運動で体を動かしたり散歩もおすすめです。自然の中を散歩すると癒し効果もあり、いい気分転換になります。
軽い運動をすることによって幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されるんですね。セロトニンは不安や恐怖怒りなどを抑えて気持ちを落ち着かせたり痛みを抑える効果があることが科学的にも分かっています。
ぐるぐると反芻思考が止まらなかったり、不安や焦りが抑えられない時は、体を動かしてみてください。外に出られなくてもその場で数分だけ軽く足踏みする屈伸運動やストレッチをするなど簡単なことでいいので試してみてください。
軽い運動は気分転換にもなるし、血流が良くなることで頭もすっきりするので、落ち着いて冷静に考えられるようになる効果もあります。
軽い運動の他にも、湯船にゆっくり浸かって体を温めたり、深呼吸するのもおすすめです。
嫌な気持ちにとらわれている時は、自然と肩や首などを中心に体全体に力が入っていて、筋肉が硬くなったり緊張している可能性があります。呼吸も浅くなっているはずです。
すると脳に十分な酸素が行き渡らなくなり、それが余計に冷静な思考や前向きに考えられない状態を作り出すことになっていきます。
深呼吸をすることで酸素の流入量が増えて、思考がクリアになり、自立神経も整うので心も落ち着いて安心感が湧き、前向きな考えが浮かびやすくなります。
それによって気持ちの切り替えがうまくいきやすくなります。体を動かす気にも深呼吸をする気にもなれない時は、音楽を聴くのも効果的です。
今の時代は、気力を失っていても、スマホ画面をタッチすれば簡単に音楽を流すことができます。音楽は自分の意志に関係なく勝手に耳から入ってくるので、自然と気分転換ができるようになるのでおすすめです。
イライラした時にはこの曲、気持ちが落ち込んでいる時にはこの曲、といったようにあらかじめプレイリストを作っておくのもいいですね。音楽についてはいろんな研究結果が出ていて、例えば、ストレスにはロック怒りを、鎮めるにはヘビーメタルが効くという研究結果も出ています。
いろいろ試して自分に合ったものを見つけてみてください。本日は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!