そんな私を愛してほしい‥ 

 Vol.1 | 2025年6月9日

あなたは、今のままで愛されるにふさわしい存在なんです。私は何千人もの人たちにこう言葉をかけてきましたが、決まって帰ってくるのは「でも、私は‥」という小さく弱々しい声ばかりが聞こえてくるばかりです。

「でも、私は人の心を傷つけてしまった人間なんです」「でも、私は何の取り柄もない人間ないんです」「でも、私は自分のことがどうしても好きになれないんです」

私は、そう言う人たち声が痛いほど分かっているつもりです。私自身もずっとそう思って生きてきたからです。それでも、私はあなたに伝えたいのです。

そんな自分を愛してくださいと‥

例え、心の奥でどれほど自分なんてと思っていたとしても、それでも自分を抱きしめてあげて欲しいのです。

私はかつて信頼していた人から裏切られ、その辛く苦しい記憶を誰にも話すことはありませんでした。

ずっと私が悪いんだ、私には価値がないからなんだ、と思い込んで生きていました。

人生のある地点で、私はその思い込みが、私の人生すべてを支配していたことに気づきました。

選ぶ恋人、選ぶ仕事、選ぶ態度、選ぶ言葉、すべてが私には価値がない、私は愛されるはずがないという前提から生きていたのです。

ある日、私は自分にこう言葉をかけました。「私はあなたを愛してる」「あなたは大事な人なんだ」と。

その言葉を自分に語った時、体が凍りつきました。涙が溢れました。心がそんな言葉なんて嘘だと叫けんだように感じました。

いまでもその時のことを鮮明に覚えています。 そうです。愛の言葉を自分にかけることほど怖いことはないんです。

なぜなら、心の奥に積もった自己否定が、その言葉を拒絶しようとするからです。でも、私はそれでも言い続けました。

震えながら、泣きながら、怒りながら、あなたを愛してると。例え何があったとしても愛してる。私はあなたの味方だと。

そんなはずはない、お前は最悪な人間だ。悪魔が隣でそう囁く中、私は自分に愛の言葉を投げかけ続けました。

すると不思議な感覚に包まれたのを覚えています。それば、まるで長い冬の底で、かすかな春の光が差し込んだような感覚でした。

何かが静かに解けていくのを確かに感じていました。その日初めて、私は私をほんの少しだけ愛せた気がしたのです。

 愛するとは過去をなかったことにすることではありません。愛するとは過去をそのまま許し受け入れることなのです。

この記事を読んでくださっているあなたは、心に傷を抱えているかもしれません。誰かの言葉に深く傷ついたかもしれません。

あるいは自分自身を裏切ったと感じているかもしれません。

それでも愛してください‥

あなたはあなたの人生において最善を尽くして生きてきたのですよ。

もしも今、私は間違っていたと思うのなら、それはあなたが成長している証なんです。

あなたが今まで選択してきたことは、未熟さや恐れから来ていたのかもしれませんね。

でも今、この瞬間のあなたは、その過去を抱きしめるだけの広さを持っています。

多くの人が癒しと聞くと、問題をなくすことだと思っています。でも私が言いたいのは、癒しとは問題を抱えている自分ごとを愛することなんですよ。

あなたの欠点、心の傷と恐れ、それらを消そうとしなくていいんですよ。消すのではなく抱きしめてあげるんです。

それが本当の意味での自己受容です。
そして、それが始まりです。

あなたは何かができるから尊いのではないのです。誰かに認められるから価値があるのでもありません。あなたはあなたであるから尊いのです。

私たちはいつの間にか、成果や評価、承認によって自分の価値を図るようになってしまいました。でも本当の愛はそんな条件を必要としません。愛は何なんらかではないのです。

「私はただここにいて、私を愛している‥、それで十分!」そんな声にならない心を木霊していたはずです。

静かに耳を済ませてみてください。その声はずっとそこにあって、あなたが思い出してくれるのを待っています。

あなたの人生は今からどこまでも広がっていけます。過去はあなたを縛りません。

親の言葉も、世間の価値観も、過去の謝ちも、あなたの未来を決める力などないのです。あなたがそれでも愛すると決めた時、その瞬間から新しい人生が始まります。

今まで見てきたこと、それはどれほど暗く苦しい人生であっても、自分を愛すると決意した人は、必ず明るい光の方へ進んでいくということです。

例え、涙の中でこの話を聞いていたとしても、それでもあなたの中には光があります。

あなたはもうすでに愛そのものなのです。今までそれを忘れていただけだから思い出しましょう。あなたがそのままで十分であるということを。

あなたが誰に許されなくても自分を許していいということを。あなたが完璧でないままで美しいということを。

最後に私がずっと使ってきた言葉を送ります。

鏡を見ながらこう言ってみてください。私は私を深く完全に愛し受け入れます。最初は苦しいかもしれません。でも続けてください。

言葉はあなたの内なる世界を書き換える力を持っています。だから何度も何度も繰り返すのです。あなたの心が信じられるようになるまで。あなたの魂が答えてくれるまで。

あなたは何度も自分を愛することをやめそうになるでしょうね。思い出すたびに、痛む記憶、許せない過去、自分を責める声がふいに胸をつくかもしれません。それでもあなたを愛してほしいのです。

例え、今のあなたが愛するなんて無理と思っていたとしても、その言葉を心の深く静かな場所に落としてみてください。

すぐには何も変わらないかもしれません。でも、ある朝ふと気づくのです。あなたはずっとあなたを愛したかったことに。

あなたがあなたを初めて愛する時、ずっと探していた小さなあなたが顔を出すのです。ずっと待っていたよと。


終りに‥

「あなたは、そのままで愛される存在です」 私が心理カウンセラーとして皆さんに伝えてきたこの言葉は、 今を生きるすべての人への贈り物です。 

最初は受け入れにくい話に聞こえるかも知れませんね。でも、自分で自分を愛することは他人にお願いたところで誰も力を貸すことはできません。それはあなたが知っているはずです。

「癒し」とは、問題がなくなることではありません。 癒しとは、心の傷を抱えた自分をそのまま愛することです。 

私は、自からの経験を通して、それを自分自身に伝え続けてきました。今もなお伝え続けています。過去があなたを縛る力はありません。 あなたが「それでも自分を愛する」と決めたとき、 新しい人生は始まっているのです。

最後まで読んでいただき、ありがうございました!