
苦しいと感じる原因は、心の傷が癒えていないからです
あなたは自分で気がついていますか? あなたの心の中に閉じ込めたままの心の傷。
「この傷はもう無くなることはないいんだ」「この傷を一生背負いながら生きていくしかないいんだ」、そう強く思い込んでませんか?
病院に行っても、薬を飲んでも、そのとき限りの効果でしかないと、自分に負い目を感じていませんか?そんな絶望を感じて生きていくなんて嫌ですよね。同じようにつらい経験をしている人は、少なくありません。
「私の気持ちをわかってくれる人なんてどこにもいない」そう思い込んでいませんか? 助けを求めるのが苦手だったり、大切な人からの助けの手を払いのけていませんか?
あえて完璧主義をつくり、困難な道を選んで自分で自分を追い詰めていないでしょうか? それは「助けてもらえない」と一人で思い込こんでいるだけです。

心に傷を持つて生きている人は、自分の心がブレないように、心の奥深くにある痛みや傷つきを必死で隠そうとして生きています。
表面的には何もなかったかのように装い、痛みは見えない場所に押し込めているのです。
それは、無意識に自分を守るためにつくりあげた防衛戦略なのです。その痛みから逃れようとするための一時的な避難所とも言えます。しかし、心の奥底に押し込められたその傷は、完全に消えるわけではありません。
時として身体の奥く深いところで叫び声を上げ、不満を訴え、助けを求めます。それはまるで、暗闇の中に閉じ込められた幼い子どもが、誰かに見つけてもらおうと泣き叫んでいるようなものです。
この状態を長い間続けていると、エネルギーは消耗され、生きている実感さえ感じなくなってしまいます。 いくらその叫び声を封印したところで、その叫びを消すことなどできません。心の中でずっと鳴り響き続けるのです。

「今の自分」を生み出したのは"子ども時代の経験"
遺伝的素質だけでなく、子ども時代に刷り込まれた事柄も、私たちの性格と自己価値観にとても大きな影響を与えます。心理学では、その影響を受けた人格部分を「内なる子ども」を呼んでいます。
人格を形成する時期は子ども時代にあり、その核が大人になってからでも生き続けています。つまり、どんな人であったとしても、その核となる気持ちや想いは子ども時代の経験によって作られている。刷り込まれていることになります。
そのため、子ども時代の刷り込みが大人になってからも核としてあるため、大人だからという価値観ではなく、あくまでも「内なる子ども」が核として存在していると考える必要が生まれてきます。
子ども時代に自分の価値を認めてもらうことができないと感じ続けていたら、その核が基準となったりします。自分自身と向き合うには「内なる子ども」と友情を結ぶことが大切になってくるのです。
あなたの人生を曇らせているのは
「トラウマ・心の傷」です
心の傷は時間とともに薄れていき、過去のものとなっていきます。しかし、あまりにも大きな傷を背負ってしまった場合は時間をかけても薄れていかず、心の奥深くに残されたままになります。
これはショックな出来事を体験した人だけではありません。幼少の頃からの親や周りの人の言葉がけなどにより、小さな傷を繰り返し受けてきたことで自分らしく生きていくことが難しくなります。
「私の心に傷なんてない」「私は親に愛されていた」そう言い切る人たちだって「かすり傷」ぐらいは受けているはずです。この傷を受けていながらもそれを自覚することができず、人生を曇らせていることに気づいていません。
努力しても結果に結びつかないのは、能力がないからでも、努力が足りないからでもありません。心の傷が邪魔をしているからです。
自分の中にある心の傷は何かを知り、それを受け入れていくことで、いま抱える問題の本質を解決していくことができるようになります。

心の傷を放っておくと、心と体に深いダメージを与えます
私はこれまで数多くの悩みや苦しみを持つ方々のカウンセリングを受けてきました。その経験の中で感じることがあります。悩み苦しみが続く根本の原因は「心の傷・トラウマ」が癒えていないからです。
❶ 自分を受け入れてもらえなかった
【失恋・いじめ・拒絶体験】で受ける心の傷
❷ 誰ともつながっていないと感じる
【孤独・寂しさ】から起こる心の傷
❸ 大切なものを失った
【喪失・トラウマ】から起こる心の傷
❹ 自分が許せなくなった
【罪悪感・自己嫌悪】から生まれる心の傷
❺ 悩みが頭から離れない
【囚われ・抑うつ的反芻】から生まれる心の傷
❻ 何をやっもうまくいかない
【失敗・挫折】の経験から生まれる心の傷
❼ 自分が嫌いになった
【自信のなさ・自己肯定感の低下】から生まれる心の傷
日々感じるモヤモヤやイライラの対処法を知って、早めに手当てするのとしないのとでは、自分自身はもちろん、人間関係、人生そのものにも響いていくようになります。

悩みを一つずつ消していけば、もう立ち止まることはありません
私たちの心と体は、無意識的に嫌な記憶から自分を守るためのプログラムが働いています。傷ついた記憶は、私たちの感情や思考に影響を与え続けます。
こうした辛く悲しい記憶を無視することはできません。ただ封じ込めてしまうだけでは、その記憶から逃げているにすぎず、成長や癒しの可能性を閉ざしてしまいます。
心の痛みは決して無意味なものではありません。むしろ自分自身を知り、癒し、成長させるための指針でもある大切なものです。
傷ついた部分にそって手を当てて、優しさと愛情を込めて手当てをしていくことで、まるでヒビ割れた壁から光が漏れ出すように、癒しのプロセスが始まっていきます。
今までの苦しみが解消していきます
時間がすべてを癒してくれる ── 何かに苦しんでいるとき、私たちはこの言葉を耳にしますが、時間が「薬」になるという考え方はよくある誤解です。
多くの人はこう言います。「こんなに長い間、引きずっているのは情けない」「メソメソしている自分を誰も相手にはしてくれない」と。
こうした人たちの多くは、その苦しみの原因が起きたのがまるで昨日のように思っています。自分が経験したことを語るのもつらいし、話し始めれば、どれほどの痛みを持っているかは容易にうかがえます。
個人差や事の大きさによって時間の差はありますが、ネガティブな感情の状態が収束するのには早くても3ヶ月から6ヶ月程度を要することがほとんどです。
心の傷を癒せば、人間関係が変わっていきます
私は、心に傷を持ち苦しみながらも懸命に生きている人たちにお会いします。そういった人たちの苦痛に直面し、葛藤する姿を見ると、早く救い出してあげたい、安全な場所に早く避難させたいという衝動に駆られます
私にできることは、常に寄り添いながら、愛情をもって接し、自分自身の力で前に進めることを見守ってあげることです。決して手を引いて道案内をするのではありません。自分の力で乗り越えていくための支援をするだけです。
時に痛みを伴うこともあります。でも、そのプロセスを経ることで、本当の意味で成長できるのです。この道は決して避けることができない、険しい道ですが、それを歩む価値はとても大きく素晴らしいものなのです。