アドバイスとカウンセリングは根本的に違います

欧米諸国と比べて日本では、私は精神病じゃないからカウンセリングを受ける必要はないと思われているよ方々まだまだ多いようですが、それもそのはずです。

カウンセリングとはどういうものなのか?を根本的に知らない方が、まだまだ大勢いらっしゃいます。特に地方ではこの傾向が強いように感じています。

そのような方たちに向けて、カウンセリングとは何かといった情報を発信していくことも、愛媛心理相談室の大事な使命だと思っています。

ここでは「カウンセリングをもっと身近に」というテーマでお話させていただきます。

当心理相談室に来られる方々の約4割の方は、私がアドバイスや忠告をして問題解決の方向に導いたり、問題に対する答えを持っていると期待してらっしゃる方がおられます。

それは「相談」というコンセプトが、「カウンセリング」に近いものとして広く一般的に認識されているからのように思いますが、カウンセリングではアドバイスを与えるようなことは極力避けられるのが一般的です。

カウンセリングとは、カウンセラーに話を聴いてもらい、情報を共有し、カウンセラーが質問することに対して、来談者が自問自答し、自らの答えや解決を見いだし、問題の解決へと繋がっていくような新しい考え方や行動を身に付けていくプロセスをサポートするものです。

ですから、相談者自身が何を感じ、どう考え、どう思っているかが、カウンセリングの中で最も重要な要素だと言えます。

「アドバイスをする」という行為には、カウンセラーと来談者の関係性に大きな影を落とす危険性が潜んでいます。

恐らく、みなさんにも心当たりがあると思いますが、誰かに悩みを相談して「あたかもわかったようなこと」を言われたり、「できなかったこと」「しなかったこと」を指摘されて、不快になったことはありませんか?

これは、アドバイスが自分への非難や批判であるかのように聞こえてしまい、反発心や抵抗感が生じているサインです。

相談をされた側は「なんとかしてあげたい」「力になりたい」という気持ちからアドバイスをしていますが、このような「同情心」から生まれるアドバイスは、無意識のうちにアドバイスをする側が優位に立ちがちです。

相談した相手が「なんか上から目線の物言いをしている」と感じたら、その関係には上下関係が生まれていると思って間違いありません。不快になるのも無理はありませんよね。

また、ある人に相談して、その人のアドバイス通りに行動したところ、良い結果を得たとしましょう。「それの何が問題なんですか?」と思うかも知れません。

しかし、これは相談した人の考える機会、判断や選択する力を奪う行為とも言えます。

「この人の言うとおりにすれば、物事がうまくいく!」と自分自身の判断をその人に委ねることが多くなり、依存的な関係性が知らず知らずのうちにできあがっているということも少なくないのです。

反抗心や抵抗感は相談者の自己成長の妨げになります。依存的な関係性も、また、本来クライエントに備わっている自分で判断し、選択し、自ら答えを導き出すという「生きる力」を引き出す妨げになる危険性があります。

それを考えると、なぜ、カウンセリングではアドバイスを与えるようなことはしないのかを理解していただけるでしょう。

アドバイスが欲しい!という方がこのような違いを知らずしてカウンセリングを受けることは、期待外れになるかも知れないので、あまりオススメできません。

しかし、自分自身が何を感じ、どう考え、どう思っているかをじっくりと見つめ、元々備わっている「生きる力」を引き出したい、取り戻したいと考えている方にはカウンセリングはオススメです。

カウンセリングをもっと身近に!近い将来、日本でもそうなって欲しいですね。それが私の願いです。