アダルトチルドレンの生きづらさ

Vol.15 | 2025年7月8日

アダルトチルドレンの人が抱えている様々な悩みや生きづらさは長期化してしまう傾向が高いです。自分自身がアダルトチルドレンであると認識してから本を読んだりYouTubeの動画を見たりして自分で色々取り組んでみてもなかなかうまくいかない、克服できたと思ってもまたすぐにぶり返してしまうという人も多いようです。

このようにアダルトチルドレンの克服は難しいと感じている人もいるんじゃないでしょうか?

「自分一人で何とかしようとしたけどどうにもうまくいかないので‥」と私のカウンセリングや回復プログラムを受けたいと言ってくださる方はここ数年で急増しています。

そこで本日は、アダルトチルドレンに対する誤解やアダルトチルドレンを克服しようとする時にうまくいかなくなる原因や陥りやすい問題についてお話ししていきたいと思います。

アダルトチルドレンの生きづらさと克服がと感じる理由についてお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みください。

まずは、アダルトチルドレンの生きづらさについてです。

コラムでも、アダルトチルドレンの生きづらさ解消法について今後もたくさんのお話をしていきますが、ここでアダルトチルドレンとは何なのか、どういう生きづらさや困難があるのかについてお話します。

初めてこういったお話を聞かれる方にも分かるように、またこれまでもカウンセリングやセミナーに参加してくださっている方にはおさらいとして、できるだけわかりやすくお話できればと思います。

アダルトチルドレンは、元々はアルコール依存症の親に育てられた人のことを意味して使われていた言葉です。

今はもう少し意味が拡大されて、家庭内で虐待や育児放棄など、身体的あるいは精神的な負担を受けて育った子どもが大人になってからもその影響のために生きづらさを抱えている人たちのことを指して言います。

私のところに来る方の中にも、父親の暴力による身体的虐待、母親の支配や否定的な関わりによる精神的虐待があり、その影響で人生に様々な躓きがあり、特に仕事や人間関係で苦労してうつ病を発症したという人は少なくありません。

そのことが自分自身と向き合うきっかけになって、その時初めて自分の生きづらさは親との関わりによるものだと気づき、自分はアダルトチルドレンなんだと自覚するようになります。

アダルトチルドレンは医学的な診断名ではないので、基本的には本人が自覚して、自分はアダルトチルドレンだなと思えばアダルトチルドレンであると言えるし、傍から見ていくらそのように思える状況でも、本人に自覚がなく、本人が認めなければアダルトチルドレンだと周囲が決めつけることはできないということを覚えておいてください。

自分をアダルトチルドレンだと分類することによって、自分への理解が深まり、自分の生きづらさに納得がいって、気持ちが救われたと言われる方が多いです。

それまでは母親から、「お前は神経質でわがままな性格、お父さんそっくり」などと否定されてきたので、生きづらいのは自分の性格が悪いから、自分が悪い人間だからだと思うのですが、アダルトチルドレンだと自覚することによって、それなら自分は悪くないんじゃないか‥、と初めて思うことができて救われた気がしてくるのです。

自分はアダルトチルドレンだと認めることによって、救われる人もいれば、逆に絶望的な気持ちになる人もいるので、アダルトチルドレンかどうかの判断に特別こだわらなくてもいいと思います。

生きていれば誰もが大なり小なり何かしらの生きづらさを抱えているものです。

その生きづらさを解消したいと望むのであれば、アダルトチルドレンにこだわらなくても、生きづらさの原因や心の奥にしまいこんでいる未消化の思いに向き合うことが大切です。

ここでは、アダルトチルドレンの人の多くが抱えやすい生きづらさや問題について、代表的なものを4つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

1つ目、極端な考え方になる。

アダルトチルドレンの人は、何でも完璧でなければ気が済まない、完璧主義や曖昧やグレーゾーンが受け入れられず、何事にも白黒はっきりつけたがる白黒思考などに代表されるように、物事の見方や考え方が極端になる傾向が強いです。

人間関係も極端になりがちで、例えば、優しくしてもらったらこの人はいい人、ちょっとでも嫌な部分を見つけるとこの人は悪い人と極端に決めつけたり、親密な人付き合いを避けて、人間関係から引きこもる面があるかと思えば、この人はと信じた人に対しては盲信的に信じ込んだり、依存的になったり、表面的には器用に人付き合いをしているように見えて、内心では心から相手を信用することができず、常に疑心暗鬼になっている場合もあります。

自分の親という本来は一番信頼できて愛情をもらえるはずの存在から、ひどい仕打ちを受けてしまった体験から、人に対する憎しみや不信感を抱えている一方で、愛情に飢えているため、親密になりたい、愛し愛されたいという気持ちも持っていて、常に心に葛藤を抱えています。

2つ目、セルフイメージが低い。

アダルトチルレンの人は、親から虐待を受けたり、否定されたり、条件付きでしか愛情がもらえなかったりと、愛情不足で育ったために自己肯定感や自己価値観、自尊心などが健全に育まれず、セルフイメージが非常に低くなっている人も多いでようです。

自分は愛されない、愛される価値がない、自分は価値のない人間なんだ、という思い込みが根底にあるので、何をするにも自信が持てず不安や焦燥感を抱えやすいです。

ありのままの自分ではダメだからと、自己犠牲や我慢で他人のために尽くしたり、期待に応えることで自分の存在価値や存在意義を得ようとして、共依存になってしまう人もいます。

3つ目、メンタル疾患。

アダルトチルドレンの人はみんながみんなそうというわけではありませんがメンタル疾患を抱えていることも多いです。

代表的なものは、理由もなく不安を感じてしまう"不安障害”、″トラウマ"、記憶が突然蘇ってきたり、悪夢として反復される″PTSD"と呼ばれる心的外傷後ストレス障害、躁状態とうつ状態を繰り返す"双極性障害″と極端に偏った性格になり、社会生活の適用が難しくなる"境界性パーソナリティ障害″、自分を過大評価し他者を見下す傾向が強くなる″自己愛性パーソナリティ障害"、自分がなくなったり複数の人格を持つ"解離性障害"、そして"うつ病"などがあります。

4つ目、世代間連鎖。

親から虐待を受けたり、否定されたり、条件付きの愛情しか与えられず愛情不足で育った子どもが、大人になって自分も子どもを持った時に、親と同じように自分の子どもを虐待したり、否定したり、条件付きの愛情しか与えないといったことが世代を超えて繰り返されていくことを世代間連鎖と言います。

親のようにはなりたくないと強い反発を感じながらも、どうしても子育てのモデルが自分の親になってしまうので、気づけば自分も同じようなことをしてしまっていたという人も多いですね。

先にお伝えしたように、アダルトチルドレンの人は考え方が極端になってしまうところがあるので、子どもを適切に叱れない、甘やかしすぎてしまうなど、親とは真逆の子育てをするケースもあります。

中には、アダルトチルレンの自分がちゃんと自分の子どもを愛せるのだろうか‥、と思い悩み、子どもを持つことや結婚そのものを避けようと考える人もいます。

冒頭でお伝えしたように、アダルトチルドレンを克服しようとしてもなかなかうまくいかず、同じ問題を何度も繰り返してしまう人は結構多いです。

次に、克服が難しいと感じる理由について3つのポイントからお話ししていきたいと思います。

1つ目、変わらなければいけない。

小さな子どもは、親に見捨てられたら自分は生きていけないということを本能的に理解しているので、どんなにひどい親でも心の奥底では常に健気に親を求めているものなんです。

そのため、親に虐待されたり、否定されたり、ひどい仕打ちを受けるのは自分がちゃんとできないから、親の言う通りにできないから、自分が悪い子だから、など自分のせいだと思い込んでしまうんです。

そのような体験から、自分のことを否定的に捉える癖がついていて、常にありのままの自分ではダメだと感じています。

そして、アダルトチルドレンも克服するには、ありのままの自分ではダメだから変わらなければいけないと考えることがアダルトチルゼンの克服を難しくしてしまう原因の一つです。

また、アダルトチルドレンの特性を生まれ持った性格だと誤解している人も多いですね。

現在、私のところでアダルトチルドレン克服プログラムを受けているAさんも、自分はものすごく神経質でわがままな性格で結局みんなから嫌われてしまう嫌な人間なんだというセルフイメージを持っていたのですが、実は神経質でわがままというのは母親がいつも私に言っていたことで、母親から刷り込まれたイメージだったのです。

そのせいで、自分は母親から愛されない嫌な人間だから、みんなからも嫌われるという思い込みを持ってしまい、我慢や自己犠牲で人間関係を保とうとするために、生きづらさを抱えるようになったんです。

そして、うつ病になったのをきっかけに本やメディアからの情報収集での独学とカウンセリングやセラピーもいろいろと受けていました。でもなかなか上手くいかかず、プロカウンセラーの手も借りながら自分の生きづらさに向き合った結果、見えてきたことは、「私にはHSPの気質があって、その敏感で繊細な部分を母親が神経質と表現していたのだろう」ということがわかりました。

その神経質な部分が母親からすれば、育てにくかったんでしょうね。それで自分の思い通りにならない、私のことをわがままのことをラベリングすることで、気持ちの折り合いをつけていたのかもしれません。

実際には、常に他人の顔色を伺ってビクビクした人間関係しか築けなかったので、わがままなんて言えるはずもなかったはずですが、母親からの吸い込みによってわがままな性格だと自分でも思い込んでいったんでしょうね。

このコラムを見てくださっている方の中にも、Aさんと同じように、自分はこういう人間だと抱いているセルフイメージが実は思い違いである人がいるかもしれません。

もしかしたら、アダルトチルドレンやHSPの特性が関連していたり、親や周囲から知らず知らずのうちに刷り込まれたもので、本来の自分とは違う可能性も考えられます。

アダルトチルドレンの人の多くは、自分に対して否定的な感情を持ちやすく、劣等感、自己卑下、自責の念が強いため、自分の悪いところを直さなくちゃ、自分のダメなところを補わなくちゃ、自分が変わらなければ幸せにはなれない、と思っているんです。

"変わらなければ″という思いは、ありのままの自分を否定するのと同じことです。

アダルトチルドレンの人は、本来の自分からズレてしまい生きづらくなっているのですが、変わらなければいけないという思いが余計に、自分らしさを失っていくことにつながるので、ますます克服が難しいと感じる原因になってしまいます。

変わらなければアダルトチルドレンは克服できないのではありません。

まずは長年抑え込んできたためにわからなくなってしまっている自分の素直な感情や感覚を感じられるようになることです。

そして、それを素直にそのまま受け入れて、本来の自分を取り戻していくこと、自分のダメな部分やできない部分を否定せず、個性として受け入れて、自分は自分として自分らしく生きていくと決めることでアダルトチルドレンの克服に向けての一歩を踏み出すことができるようになると思います。

2つ目、頑張らなければいけない。

先の、変わらなければいけないと思っていることとも関連していますが、私のこれまでのカウンセリング経験から、アダルトチルドレンのみならず何かしらの生きづらさを抱えている人や人生における悩みや問題を抱えている人は、自分に自信がないことをダメなことだと捉えている人がとても多いと感じます。

先にお伝えしたように、アダルトチルドレンの人は自己肯定感、自己価値観、自尊心などが低く自分に自信が持てないことで悩んでいる人も多いです。

もっと自信を持たなければいけない、そのためにはもっともっと頑張らなければいけない、まだまだ頑張りが足りないと自分を追い込みすぎてしまうのです。

アダルトチルドレンの人の多くは、我慢や自己犠牲が多くなりがちです。普段から必要以上に頑張って心をすり減らしています。

それでもまだまだ、もっともっと頑張らなければいけないと自分を追い込みすぎてしまうことがアダルトチルドレンの克服が難しくなる原因です。

アダルトチルドレンを克服するためには、むしろ頑張るのをやめて、休んでもいい、サボったっていい、楽をしてもいい、楽しんでもいいんだよって、自分を甘やかしてあげることが必要です。

3つ目、親を許さなければいけない。

アダルトチルレンの克服には親を許すことが必要だと思っている人も多いかもしれません。実際にそのようなことを書いている本や動画などもあります。

私のカウンセリングを受けてくださる方々の中にも、「親を許さなければいけないのに許せない」「自分が未熟だからダメなんだ」と思っていた方は結構いらっしゃいます。

親も人間なので、子どもを持ったからといっていきなり親として完璧になれるはずもなく、また実際の子育ては本当に大変なことも多く、時間もエネルギーも必要になります。

あるいは、親自身も毒親や機能不全家族のもとで育って、健全な子育てのロールモデルがなかったために、アダルトチルドレンが連鎖してしまったかもしれません。

だからといって、子どもを虐待したり、自分の思い通りにコントロールしてもいいということではありませんが、親の立場になって親の気持ちや事情を考えてみることはアダルトチルドレンの克服には有効な部分もあります。

親は親で大変だったんだな‥ 愛情がなかったわけはないかもしれない‥

そんなふうに親のことを客観的に理解することはできるかもしれませんが、だからといって親のことをすんなり許せるかと言うと、実際にはなかなか難しいことの方が多いと思います。

なぜなら、どんな事情があったにせよ、子どものあなたが傷ついた過去は消えないし、その心の傷がその後の人生に与えた影響はとても大きいものだからです。

親の事情を理解したり、親の立場になって考えることで親を許せたと思っても、また何かの拍子に親への怒りや負の感情が湧き出てくることは普通にあります。

親を許せる気持ちになったり、また許せない気持ちになったり、気持ちが揺れるのは当たり前のことなんです。

親を許すことがアダルトチルドレンの克服のゴールだと捉えてしまうと、許せない自分に失望したり、許せない自分を責めてまた辛くなってしまうという繰り返しで、しまいには力尽きてしまうかもしれません。

このように親を許さなければいけないと思うこともアダルトチルドレンの克服が難しくなる原因です。親を許せなくてもいい、許そうと頑張らなくてもいいんです。

そうではなくて、親のことを許せない自分を許してあげましょう。

今あなたが抱えている生きづらさの原因は、自分に能力がないからでも、自分に魅力がないからでも、自分が劣っているからでも、自分に価値がないからでもありません。

あなたは何も悪くありませんよ。

できないところやダメなところがあってもいいんです。完璧でない自分を許してあげてください!

アダルトチルドレンの克服については、アダルトチルドレンの生きづらさ、克服方法は、自分軸構築プログラム で生きづらさ別にいろいろとお話ししていますので、良かったら私たちのカウンセリングを受けて見てください。

本日は以上です。今後も生きづらさを手放して自分らしく自由に生きる、自分軸構築プログラムを受けたい方、ご興味がある方は、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!